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【通崎好みつれづれ】お宝カバンがいっぱい

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著名人からの寄贈品が並ぶ「世界のカバン博物館」の「わたしのカバン」コーナー=東京都台東区
著名人からの寄贈品が並ぶ「世界のカバン博物館」の「わたしのカバン」コーナー=東京都台東区
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 先日東京にて浅草の楽器店に立ち寄った後、時間ができた。徒歩すぐ「創業文久元年」ののれんがかかる、うなぎ屋「色川」でうな重を食べたが、それでも時間がある。時間がつぶせるところをスマートフォンで検索してみたところ、近くにカバンメーカー「エース」が運営する「世界のカバン博物館」(台東区駒形)を見つけた。

 当館は、エース創業者、新川柳作(しんかわ・りゅうさく)の「カバンを通じて社会に恩返ししたい」という思いから、内外の高い技術を誇る職人たちの製品を収集、カバンを通じて世界各地の文化や風俗を紹介してきた。昭和50年開設、平成22年にリニューアルしている。博物館の上の階には「新川柳作記念館」があり、大正4年に生まれ、カバンとともに歩んだ彼の生涯を知ることもできる。

 展示品は幅広く、ワニ革の中でも最高級品といわれるイリエワニ12匹分の革を使用したモラビト社(フランス)製、カスタムメイドの大型トランクなどセレブリティの船旅を思わせる圧巻の品から、1960~70年代、類似品も含め2千万個を売り上げたエースの大ヒット商品、ニューヨーク市のスポーツアリーナ「マディソン・スクエア・ガーデン」の文字が入る半円形の塩化ビニールレザーのスポーツバッグまで。

 また「わたしのカバン」コーナーには、著名人からの寄贈品が並ぶ。プロレスラー・アントニオ猪木のボストンバッグは、少年期をブラジルで過ごした彼らしい民族的な牛革に彫り細工が施されたもの。米国サムソナイト社創業者からは、令嬢が使用していたという高級感あふれるワニ革のバイオリン・ケース。長嶋茂雄が実際に使用した監督時代の背番号90入りスポーツバッグ、羽生結弦、福原愛らオリンピック・メダリストのカバンなど。

 この博物館には何気なく足を運んだのだが、とても楽しい時間を過ごすことができた。「さて、私の思い出のカバンを一つ挙げるとすると何になるだろう」。子供の頃から手にした幾多のカバンを振り返りながら、博物館を後にした。(通崎睦美 木琴奏者)

 つうざき・むつみ 昭和42年、京都市生まれ。京都市立芸術大学大学院修了。マリンバとさまざまな楽器、オーケストラとの共演など多様な形態で演奏活動を行う一方、米国でも活躍した木琴奏者、平岡養一との縁をきっかけに木琴の復権に力を注いでいる。執筆活動も手掛け、『木琴デイズ 平岡養一「天衣無縫の音楽人生」』で第36回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)と第24回吉田秀和賞をダブル受賞。アンティーク着物コレクターとしても知られる。

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