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伊藤忠・デサント「両社のイメージ毀損」 TOB成立1週間、協議難航

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 伊藤忠商事によるスポーツ用品大手デサントへのTOB(株式公開買い付け)が14日に終了してまもなく1週間を迎える。伊藤忠がデサント株の40%を取得し、両社は17日に対立解消に向けた協議を再開した。しかし話し合いの決着はつかず、伊藤忠は臨時株主総会の開催を求める構えを強める。関係者からは「対立のさらなる長期化は、両社のイメージを毀損(きそん)しかねない」と懸念の声が上がっている。

 両社は17日に大阪市内で対話を再開。デサントの石本雅敏社長と伊藤忠の小関秀一専務執行役員(繊維カンパニープレジデント)がテーブルについたが、和解には至らず、18日以降も協議を続けている。

 難航するのは、役員構成をめぐる考え方に隔たりがあるためだ。TOB開始前、伊藤忠はデサント取締役の構成を現在の10人(社内6人、伊藤忠出身2人、社外2人)から6人(社内2人、伊藤忠出身2人、社外役員2人)とする案を提示した。経営の主導権を掌握する狙いがあった。一方、デサント側は5人(社内1人、社外4人)とする案を出していた。

 TOB期間中の2月、両社は歩み寄りを模索し、4回に渡って打開策を協議。ここでも役員構成が焦点となった。一旦は伊藤忠が譲歩する形でデサント2人、伊藤忠出身1人、社外2人とする案で合意しかけたというが、その後にデサントが社外を3人にしたいと主張し、物別れとなった。

 ただ、両社をよく知る関係者は「TOB成立で明らかに潮目が変わった。決着はついた」と指摘する。株式の40%を伊藤忠に握られたデサントは、経営陣の刷新も含めて伊藤忠の意向に従わざるを得ない状況に追い込まれているからだ。

 両社の協議は本来、対立を早期に解消してデサントの企業価値を向上させることが目的だが、迷走が続いている。この関係者は「伊藤忠の国際力、金融力と、デサントの商品企画力や技術力を生かすことで、デサントが世界で存在感を示せる会社になってほしい」と求め、事業を発展させるためには「デサントの社員に理解を求めることも肝心だ」と話した。

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