PR

阪神の韋駄天ルーキー近本は赤星2世になれるか

PR

赤星2世の期待がかかる阪神の近本=甲子園(松永渉平撮影)
赤星2世の期待がかかる阪神の近本=甲子園(松永渉平撮影)
その他の写真を見る(1/2枚)

 昨季セ・リーグ最下位からの巻き返しを狙う阪神。今季のキーマンの一人が、ドラフト1位の近本光司外野手(24)=大阪ガス=だ。「僕の武器は足」「目標は新人王と盗塁王」とアピールし、阪神OBで5度の盗塁王に輝いた赤星憲広氏と重ね合わせて「赤星二世」と期待される。生真面目な性格で、走力向上にも研究熱心な“トラの優等生”は、外野に名手がそろう阪神で開幕スタメンをつかめるのか。

 ■全力アピール

 かつて主力外野手として人気を誇った新庄剛志氏らの背番号「5」をまとった近本。2月に行われた1軍の沖縄・宜野座キャンプに参加。続く3月のオープン戦でも、競争による厳格な起用方針を打ち出す矢野燿大(あきひろ)監督に、必死のアピールを続けている。

 “デビュー戦”から全力プレーだった。2月7日に行われた宜野座キャンプ初の紅白戦には「2番・中堅」で先発出場。3打数1安打1四球とまずまずのスタートを切った。

 果敢に盗塁も狙ったが、これは牽制(けんせい)で挟まれてアウトに。ミスを恐れず次の塁を狙うのは、矢野監督が戦術の基軸に掲げる「積極的走塁」にかなったプレーでもある。

 キャンプでは「自分のできることをしっかりやるだけ。アピールしていくだけ」と新人らしく全力疾走で練習に打ち込む一方、実戦のプレーでは、打撃時に味方走者や相手守備を意識するなど、社会人らしさも見せた。開幕1軍入りするには、オープン戦でさらに「目に見える結果」が求められている。

 ■他競技研究、健康管理も

 武器である足は50メートル5秒8。矢野監督が「足はウチでトップクラス」と評する走力の向上心も忘れない。

 目標とする赤星氏の走塁のほか、野球以外の競技の映像も見て、体の使い方やプレーの参考にする。例えば、陸上短距離の多田修平選手のフォームを分析して「スタートから上体があまり起き上がらず、前傾姿勢を保つ走り方」を取り入れたり、スピードスケート女子の小平奈緒選手の「滑り方や骨盤の使い方」を参考にしたりしているという。

 宜野座キャンプでは、筒井壮・外野守備走塁コーチから、減速しにくいスライディング方法を伝授され、「勢いを保ちながらスライディングができるようになった」と手応えもつかんでいる。

 健康管理の取り組みも熱心だ。「けがをしない体作り」をモットーに掲げ、日々の疲労度を把握するため、睡眠時の脈拍を自分で計測している。

 「自分が一番呼吸しやすい体勢になるのが大事」と就寝前には腹式呼吸やストレッチを行うなど、プロ意識の高さをうかがわせる。

 ■必要とされる存在に…

 開幕に向けてチームは仕上げの段階に入っている。「レギュラーは奪い取るしかない」とチーム内競争を重視する矢野監督の下で、外野手争いは熾烈(しれつ)だ。

 近本はこれまで本職としてきた中堅のポジションだけでなく、左翼と右翼にも入る可能性もある。

 阪神外野陣は福留孝介と糸井嘉男、2016年セ・リーグ新人王の高山俊らがひしめいている。パンチ力のある中谷将大や8年目の伊藤隼太もおり、ポジションを取るのはたやすくない。

 近本は3月のオープン戦では2番の打順に入っている。ドラフト3位・木浪聖也(24)=ホンダ=とのルーキー1、2番コンビで開幕スタメンも現実味を帯びてきた。

 「一番大切なのはチームの勝利に貢献すること。チームに必要な選手になりたい」と自分の立ち位置を十分に理解しているホープ。韋駄天ルーキーがセ・リーグをかき回せば、面白くなるかもしれない。(吉原知也)

     ◇

 【プロフィル】近本光司(ちかもと・こうじ) 1994年11月9日生まれ、兵庫県淡路市出身。社高、関学大をへて大阪ガスへ。昨年7月の都市対抗野球で橋戸賞(最優秀選手賞)に輝いた。10月のドラフト会議で阪神から1位指名を受けた。外野手、170センチ、72キロ。左投げ左打ち。

この記事を共有する

おすすめ情報