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米中貿易摩擦 電子部品、下方修正相次ぐ

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 大手電子部品メーカー7社の平成30年4~12月連結決算が1日、出そろった。米中貿易摩擦の影響に加え、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」新型機種の販売不振も重なり、31年3月期の業績の下方修正が相次いだ。部品各社からは、先行きを警戒する声が相次いだ。

 精密小型モーター世界最大手、日本電産が先月17日に行った業績予想の下方修正は、世界経済の減速懸念を浮き彫りにした。売上高は従来予想比9・4%減の1兆4500億円、営業利益は25・6%減の1450億円。取引先の自動車メーカーなどによる在庫調整が業績を直撃した。

 永守重信会長は翌週の決算発表の記者会見で「政治が絡み、経済活動の原理原則とは別。見通せなかったことに忸怩(じくじ)たる思いで、次の改革を行う」と述べ、部品の内製化などで利益率を改善する考えを示した。

 その後、各社も次々と下方修正を発表。スマートフォン(スマホ)の生産調整のあおりを受けた京セラの谷本秀夫社長は「中国の受注が減少している」と明らかにした。一方、TDKの山西哲司常務執行役員は「好調に推移していた市場環境が一転した。短期的には不透明だ」とした。

 このほかオムロンが31年3月期の最終利益予想を従来比で85億円少ない500億円に引き下げ。「昨年10月から12月にかけてグローバルで投資縮小、見送り、延期の動きが強く出てきた。旧来型の自動車やスマホ、家電などあらゆる市場で起きている」(井垣勉執行役員)という。

 シャープもスマホ各社にカメラ部品やセンサーなどを供給する電子部品事業が収益の柱の一つだが、今期2度目の下方修正を行った。

 一方、販売する製品によって影響の出方に濃淡が出ている。村田製作所は従来予想を据え置き。スマホ向け部品の一部は10~12月期で減収したものの、自動車のEV(電気自動車)化や自動運転化に伴う部品需要は増加。特に、電気の流れを整える主力部品は好調だった。ロームも自動車やゲーム機器向けの販売が堅調。ただ「昨年11月から家電関連などの売り上げが急激に落ち、厳しい状態にあるとみている」という。

 SMBC日興証券のシニアアナリスト、渡邉洋治氏は「中国全体の市況が悪化しているとみるべきで、アップル不振も影響の一つ」と指摘する。

 今後、製造業で設備投資を調整する可能性が高いといい、先行きについて渡邉氏は「米中の覇権争いなのでそう簡単には見えない。さらなる悪化もありえる」と厳しい見方を示す。

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