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「中国のマラソン文化を高めたい」 国旗トラブルの何引麗選手 大阪国際女子マラソン参戦

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大阪城を背景にグリコの看板のポーズをとる招待選手の何引麗(ホー・インリ)=25日午前、大阪市中央区(鳥越瑞絵撮影)
大阪城を背景にグリコの看板のポーズをとる招待選手の何引麗(ホー・インリ)=25日午前、大阪市中央区(鳥越瑞絵撮影)

 27日に号砲を迎える「第38回大阪国際女子マラソン」(産経新聞社など主催、奥村組協賛)に中国のトップランナー、何引麗(ホー・インリ)選手(30)が海外招待選手として出場する。何選手にとって日本のレースへの出場は初めて。2時間27分35秒の自己記録を更新し、2020年東京五輪に向けた足掛かりにしたい考えだが、昨年には“国旗手渡しトラブル”に巻き込まれた経験があり、中国でもマラソン文化を高めたい思いを秘めている。(丸山和郎)

 中国は近年、経済の発展や市民の健康志向の高まりを背景に、空前のマラソンブームに沸いている。北京や重慶など大規模な大衆マラソンが急増し、昨年1年間で1000を超える大会が開催された。

 そんな中、マナー違反も後を絶たないのが現状だ。昨年11月18日に蘇州市で開催された「2018蘇州太湖マラソン」では、コースに乱入してきたボランティアが選手に国旗を手渡すハプニングがあった。そのとき、手渡されたのが何選手。ゴール目前でケニア選手と激しく競り合っていたが、突然の出来事にペースを乱され、ケニア選手に優勝をさらわれた。

 一度は国旗を受け取った何選手だったが、雨が降る中、ラストスパートをかけていたこともあって、地面に落としてしまった。一時は国旗を投げ捨てたかのようにメディアにも報道され、「悲しい事件だった」と振り返る。その後、大会運営者に批判が集まり、中国陸上協会があわてて「いかなる活動もレースの進行を妨げてはいけない」と通達を出す事態になった。

 昨年11月に深●(=土へんに川)(シンセン)市で開催されたハーフマラソンでは、大量のランナーが折り返す手前の中央分離帯を横切り、コースをショートカットするマナー違反も問題視された。選手が途中で入れ替わる「替え玉」が起きたこともある。何選手のコーチで、多くのトップランナーを指導してきた張(チャン・)敬軍(チンジュン)コーチは「我々にとっても恥ずかしいこと。マラソン文化が発達している日本のような大会になってほしい」と強調する。

 大阪国際のようにトップランナーが集うエリートマラソンは日本特有のもの。世界では市民参加型の大衆マラソンが一般的だ。トップレベルの選手の人数などの条件を満たせば、国際陸上競技連盟の「ゴールドラベルレース」に認定され、スポンサー企業の注目が集まることから、中国でもゴールドの大会が増えている。

 マラソンをビジネス化する動きも活発で、何選手もスポンサーとの契約上、年間約10本のレースに出場するようになった。これまでに出場したマラソンは60本以上。調整をしっかりと合わせるレースは年に数本だが、何選手は「日本の川内優輝選手も知っている。いつも懸命に走っている姿を尊敬している」と話す。

 中国では日本のように沿道で声援を送る人も少なく、マラソン文化には大きな違いもある。「来日が初めてなので、日本のレースを走って、いろいろなことを感じ取りたい。学ぶことも多いと思う」。トップアスリートとして注目されるだけでなく、中国でもレースの質が高まってほしいと願っている一人だ。

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