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西日本豪雨半年、被災のジャズ喫茶が移動販売から再開

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移動販売車での営業を始めた高本明英さん(左)と妻の由美子さん=岡山県矢掛町(中村宏二撮影)
移動販売車での営業を始めた高本明英さん(左)と妻の由美子さん=岡山県矢掛町(中村宏二撮影)

 ジャズに耳を傾けながら香り高いコーヒーが楽しめる喫茶店が、昨年7月の西日本豪雨で被災した。オープンから40年近い歴史を持つ岡山県倉敷市真備町箭田の「ごじとま」。半年が経過した今も店舗での営業はストップしたままだが、昨年末から移動販売車でのコーヒー販売を開始した。5月に予定している店舗での営業再開に向け、一歩一歩前に進んでいる。

 被災した店の敷地に軽やかなジャズの音色が響き、コーヒーの香りが漂ってきた。移動販売車内で店主の高本明英さん(65)がコーヒーをいれ、妻の由美子さん(60)が笑顔で接客する。なじみの客たちは被災前と味の変わらないコーヒーや、気さくな夫妻との会話を楽しんでいる。

 昭和55年5月に開店したごじとまは、ジャズが流れる中、高本さんの自慢のコーヒーや由美子さんの料理などが提供される店として県内外から多くの客が訪れ、長年、愛されてきた。

 豪雨では2階まで浸水し、自慢のスピーカーや1千枚以上あったレコードなども失った。みなし仮設での生活を余儀なくされるなど先の見えない日々。それでも「お客さんや知人らがみな『(店は)やるんじゃろう』と。みなさんの後押しが店の再開を決心させてくれた」。高校時代の同級生や知人、常連客がひんぱんに足を運び、片付けなどに協力してくれた。

 昨年11月に敷地内にテントを張っての仮営業を始め、移動販売車での営業初日となった昨年12月22日には、応援してくれた人たちの所へ出かけてコーヒーを振る舞った。

 「皆さんからは半端じゃない応援をいただき、悪い中でもよいことが多かったと思う。どうやって恩返しをするか。少しでも喜んでいただけるよう頑張っていきたい」と高本さん。「来てもいいよと声をかけていただければ、できるかぎり皆さんに会いに行きたい」。移動販売車の稼働も本格化させる予定だ。(中村宏二)

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