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大阪北部地震から半年 青い屋根、残ったまま 災害相次ぎ業者不足

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災害ボランティアによるブルーシートの設置作業=今月、大阪府茨木市内
災害ボランティアによるブルーシートの設置作業=今月、大阪府茨木市内

 大阪北部地震の被災地の大阪府茨木市や高槻市では、半年が経過した今も壊れた屋根をブルーシートで覆う住宅が目立ち、地震の傷跡が癒えていない。台風など列島各地を襲った災害の影響で、工事を請け負う業者が不足し、修理待ちの期間が長くなっているためだ。そんななか、災害ボランティアが劣化したシートの交換に取り組んでいる。(張英壽)

 「9月の台風21号の後、シートを弟と友達が自己流で張り替えたが、雨漏りがするようになった。瓦の修理業者は多忙で、ボランティアはすごく助かる」

 ボランティアにシートを張り替えてもらった茨木市の飲食店経営の男性(44)はこう歓迎した。

 張り替えを行ったのは、茨木市を中心に活動する災害ボランティア拠点「茨木ベース」。各地から集まったメンバーらが屋根の大部分を覆っていた古いブルーシートを取り除いた後、1時間ほどで棟瓦を新しいシートで覆った。

 神奈川県相模原市から参加した内装業、川島浩義さん(51)は「覆う部分を最小限の範囲にとどめることで風の抵抗を少なくし、傷みにくくなる」と説明した。

 茨木ベースでは「茨木ベース方式」と呼ぶシートの新工法を考案。あらかじめ一定の大きさに裁断したシートを屋根の上で組み合わせることで、短時間で作業でき、長持ちするようになったという。

 茨木ベースは熊本地震などで被災者支援を行った「NPOレスキューアシスト」が大阪北部地震後に設置。これまでに茨木市を中心に約800軒のシートを施工してきた。

 地震から半年経過してもシートが必要なのは、9月の台風21号など列島各地を襲った災害の影響で、屋根や壁の修理依頼が全国的に殺到。工事を請け負う業者が不足しているためとみられている。茨木市居住政策課の担当者は「市民から『修理業者がいつ来てくれるかわからない』という声が寄せられている」と打ち明ける。

 瓦施工の業界団体「全日本瓦工事業連盟」によると、加盟事業所は平成10年の約4800事業所から約2600事業所と半分近くに減少。瓦を使わない住宅が増えたことや職人の高齢化などが原因とみられ、業者の数自体が減っている。担当者は「地震の後は、他府県の職人が大阪に集まっていたが、9月の台風21号以降、地元の仕事の依頼を受けて戻り、大阪の被災地は職人不足になっている」と指摘する。

 NPOレスキューアシストの中島武志代表(41)は工事待ちの期間について「半年から2年」と説明。茨木市の福岡洋一市長も「市内でシートがなくなるのは再来年3月になるのではないか」と推測する。屋根に張ったシートの寿命は3カ月~半年といい、今後も交換は必要になるとみられる。

 中島代表は地震1年となる来年6月18日を活動の区切りと考えており、「地元の市民がボランティアの技術やシステムを引き継いでほしい」と話している。

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