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しがらみなしで相談できる 社外メンター、官民でマッチング事業広がる

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他社の先輩女性社員をメンターとして紹介するサービスを提供する「アーチ・キャリア」の設立イベント=神戸市
他社の先輩女性社員をメンターとして紹介するサービスを提供する「アーチ・キャリア」の設立イベント=神戸市

 経験豊富な上司や先輩に仕事の悩みや将来の心配事などを相談できるメンター(指導役)制度。社内で取り入れている会社は多いが、働く女性の間で最近、メンターを社外に求める人が増えている。社内の常識やしがらみにとらわれないアドバイスが得られるほか、相談内容が社内に漏れてしまうという不安がないためだ。といっても、社外に自分の理解者を見つけるのは容易ではない。イベントや研修を通じてメンターとメンティー(指導を受ける人)の出会いをかなえる取り組みが官民で広がっている。(栗井裕美子)

 10月下旬、メンターとのマッチングを支援するNPO法人「アーチ・キャリア」(兵庫県尼崎市)の設立イベントが神戸市で開かれた。設立メンバーで関西電力営業本部の片本真代さん(40)は、職場で困難に直面すると「悩むことにエネルギーを割いてしまいがちになる。悩みに寄り添ってくれる伴走者を持つことは大事だ」とメンターの意義を話した。

 アーチ・キャリアでは、メンターに登録している30代後半から50代の女性社員約20人の中から、サービス利用者であるメンティーの要望に合った人を紹介する。メンターとの面談は1回6千~8千円で、インターネット電話を介して行う。利用者からは「社外の先輩なので、いい距離感でお話ができた」との声が挙がったという。

 同法人によると、メンター制度は米国で1970年代に普及し始めた。メンターはメンティーの課題を整理し、自らの経験や知見に基づいたアドバイスなどを提供する。メンティーは悩みを1人で抱え込まずに済み、自信を持って仕事に取り組めるようになるため、離職が減るという。

 アジア太平洋研究所の報告(平成28年度版)によると、27年の都道府県別の女性就業率(25~44歳)で関西の2府4県はすべて全国平均の72・6%を下回り、奈良県は67・8%で全国最下位というデータが出ている。

 これらの現状を受け、メンター普及に取り組む自治体も増えつつある。京都府・市、京都商工会議所などでつくる女性活躍支援拠点「京都ウィメンズベース」は平成29年度から、働く女性が企業の枠を超えてメンターとメンティーの関係やネットワークを構築する「メンター×メンティーマッチング支援事業」を展開している。

 駐日米国大使館は25年から、日本企業の中堅女性社員をメンターとし、女子大学生のメンティーをマッチングして次世代のリーダー育成を目指す参加費無料の研修「トモダチ・メットライフ・ウイメンズ・リーダーシップ・プログラム」を展開している。

 今年度は東京、大阪、那覇、札幌の4都市で開催し、書類選考を経たメンターとメンティー各50人が参加。米国のキャリア開発の専門家を招くなどした月1回程度の研修を通じて、自らの強みを生かした働き方などを学んでいる。

 プログラムにメンティーとして参加している徳島大学2年の北野真帆さん(20)は「身近な人には相談しにくいことも話せた。新しい価値観に触れることができる」と話していた。

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