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被災地支援「寄り添い型」に 人手必要な地区も 西日本豪雨

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「伝える」の文字をともしたキャンドルの前で西日本豪雨の犠牲者に黙祷を捧げる被災者やボランティアら=20日、広島県坂町小屋浦(有年由貴子撮影)
「伝える」の文字をともしたキャンドルの前で西日本豪雨の犠牲者に黙祷を捧げる被災者やボランティアら=20日、広島県坂町小屋浦(有年由貴子撮影)

 7月の西日本豪雨から3カ月半がたち、被災地で求められる支援のあり方が変わりつつある。ボランティアを広く受け入れる拠点は被災直後の1割強に減少。代わりに、仮設住宅入居者らの支援を行う「地域支え合いセンター」が市町ごとに立ち上がり、被災者ニーズは身近な生活支援に移行している。一方、いまだに人手が必要な市町はあり、被災地の二極化も進んでいる。(有年由貴子)

阪神から「力に」

 「できることは少ないが少しでも力になりたい」

 土砂崩れなどで多数の死者が出た広島県坂町(さかちょう)の小屋浦地区に20日、NPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯(あか)り(HANDS)」(神戸市)のメンバーや中高校生ら約35人が訪れた。炊き出しや古着の配布をし、阪神大震災の犠牲者を追悼するガス灯「1・17希望の灯り」から分けた明かりでキャンドルをともすイベントなどを行った。

 NPOメンバーの多くは阪神大震災の被災者。藤本真一代表(34)は「被災地に細く長く寄り添う支援を続けたい」と話す。

 同地区では土砂の撤去など復旧が進む一方、手つかずの被害家屋も残る。自宅が全壊し、借り上げ住宅で暮らす向田(むこうだ)春恵さん(76)は「1人暮らしなのでボランティアの人たちには本当に助けられた。まちは元の8割程度まで復旧したが、みんな散り散り。小屋浦のこと忘れず思ってくれるだけでとても元気が出ます」とほおを緩めた。

「寄り添う」支援へ

 被災地では求められる支援の内容が少しずつ変化している。

 全国社会福祉協議会によると、災害直後は住宅の土砂撤去や家財の搬出など多くの人手が求められる作業が中心だったが、現在は床下の泥出しや消毒など専門性の高い作業にシフト。

 また、被災者の仮設住宅への入居が進み、行政などによる「地域支え合いセンター」が、19日現在で15市町で開設。今後は、仮設住宅での生活支援や子供の遊び相手、孤立を防ぐためのサポートなど「寄り添い型」支援の需要も高まっていくという。

 阪神や東日本大震災の被災地でコミュニティーづくりを行ってきたNPO法人「コミュニティ・サポートセンター神戸」(神戸市)の中村順子理事長(71)は「同じ目線のボランティアが支援するからこそ、被災者も『一緒に頑張ろう』と思える。被災者と双方向の関係性を築けるボランティアが必要になってくる」と話している。

支援の二極化進む

 一方、全社協の担当者は「復旧作業が収束しつつある地域と、まだまだ人手が必要な地域の二極化が進んでいる」と指摘する。

 全社協によると、災害の発生当時、13府県73市町で開設された災害関連のボランティアセンターは、休止状態を除くと19日現在で岡山、広島、愛媛3県の11市町に減少した。

 岡山県倉敷市災害ボランティアセンターでは、広範囲が浸水して甚大な被害が出た真備(まび)町を中心に平日で200人規模のボランティアを募集、新規の支援要請も日々寄せられている。

 担当者は「壊すつもりだった自宅に『やっぱり戻りたい』とこれから片付けを始める被災者もいる。数は減ってきているがニーズはある」と継続的な支援の必要性を訴える。

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