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「災害時の避難促進にペット同伴認めるべき」岡山・総社市長提言、西日本豪雨の経験から

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 西日本豪雨災害の被害を受けた岡山県総社市は平成23年の東日本大震災の後、熊本地震はじめ全国の被災地へ延べ約100人の職員を派遣し、災害対応の経験を積み重ねてきた。その経験は今回どう生かされたのか、片岡聡一市長に聞いた。

 ■迅速な情報発信

 災害時の対応は「スピード感と具体性」が全てと考えている。

 高(たか)梁(はし)川が決壊すると総社市から約20キロ離れた岡山市まで浸水すると想定されている。その切迫感をもって、水位を確認しながら、市民への情報発信を分刻みで行なった。方法は私の生の声が伝わる私個人のツイッターへの投稿だった。

 ツイッターはふだん高校生など市民とのやりとりに使用しており、彼らに情報を送れば、家族に伝わると考えた。今回は約2万1千人とつながった。

 特別警報後に避難指示を出したが、同時に安全な避難所を選定した。町内会長や市議会議員から各戸の住民に呼びかけてもらい、夜だったが、危険地域の住民約7300人を約40分間で避難させた。避難指示を出すだけでは避難しない。

 ■復旧は自力で

 迅速な復旧には「スムーズなコミュニケーション」が不可欠だ。

 復旧の主力となったのは、今回ツイッターでつながった高校生を中心とする地元住民と、これまで支援した顔なじみの自治体職員。復興に向かうためには、気心が知れたあうんの呼吸が必要だ。つらくても主体性を失わず、行動目標を確実にクリアしていかなければならない。

 親身なコミュニケーション力が被災者の背中を押す。市の職員にも、その意識を徹底させた。隣の倉敷市真備町への物資提供やボランティア派遣もそうした考えに基づいている。

 支援物資も配給制ではなく、1カ所に集め、必要なものを自由に持って帰ってもらう方式にした。従来の配給制では受け身の姿勢になり、自立を妨げる可能性がある。これも他自治体への支援経験から学んだ。

 ■避難促進への課題

 避難の促進には、日頃の実戦的な訓練が必要だと痛感した。約7300人は避難したが、残る約6万人は避難しなかったからだ。

 また、日本では人口の約2割弱がペットと暮らしているといわれるが、ペットのいる人は他者への遠慮から自宅にとどまる傾向がある。総社市では、避難所でのペット同伴を認め、市役所にペット避難所を設けた。ペット対策を住民に周知しておくことは避難を促す大きな要因となる。

 さらに今後、危険地域の住宅移転にも取り組む。高齢化が進む中で、避けられないと考えている。

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