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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】甲子園球場に苦手意識? 金本阪神「勝率5割」の重責果たせるか

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【プロ野球阪神対巨人】夕焼けに染まる甲子園球場=7月18日、甲子園球場(荒木孝雄撮影)
【プロ野球阪神対巨人】夕焼けに染まる甲子園球場=7月18日、甲子園球場(荒木孝雄撮影)

 金本知憲監督(50)には残り44試合で3つの重大責務があります。阪神は99試合消化時点で47勝51敗1分の借金4。首位・広島に11・5ゲーム差の4位です。CS開催権を得る2位とは1・5ゲーム差ですね。指揮官には残り試合で3つの責務が課せられています。(1)勝率5割以上での2位確保(2)ロサリオ&西岡ら来季戦力としての見極め(3)指導体制の見直し。特に(1)の責務は達成しなければ監督就任3シーズンで2度目の負け越しとなり、阪神監督としての資質を根本的に問われることになるでしょう。

 夏の長期ロードも最終コーナーを回りました。神宮でのヤクルト戦を終えると中日3連戦(ナゴヤD)、巨人3連戦(東京D)でフィニッシュですね。17日のヤクルト戦(神宮)は2-3の敗戦でしたが、それでも7月27日から始まったロードでは京セラ5試合を含めて9勝7敗。このコラムで何度も書きましたが、現在の戦力編成では土と天然芝で外野の広い甲子園球場よりも人工芝で本塁打の出やすいビジターの方が戦いやすいのでしょう。

 「阪神の選手は逆に甲子園球場に対する苦手意識が芽生え始めている。なんとかしないといけない。ホームゲームで勝てないとシーズンの戦いは厳しい」と阪神OBは話していましたが、8月28日以降、甲子園球場で6連戦(ヤクルト、DeNA)でどんな戦い方を見せるのか。甲子園球場で借金9という数字の改善が即、求められます。

 求められる…といえば金本監督には重大な責務を残り試合で果たすことが求められています。それも3つ-。

 まず(1)は残り44試合で最低でも24勝20敗の成績を残し、勝率5割以上での2位確保です。首位・広島とは11・5ゲーム差ありますが、2位のヤクルトとはわずか1・5ゲーム差(すべて17日現在で)。もう十分に射程圏内です。

 2位に入ればCSのファーストステージの開催権を得ます。最低でも2試合を甲子園球場で戦うことができ、観客の入場収入やテレビの放映権料など大きな収入になります。逆に3位のAクラス入りとなってもCSの開催権を得なければ、それこそCSを最後まで勝ち抜き、日本シリーズに出場しない限りは球団の収入は大きく増えません。

 昨季のDeNAは3位でCS進出し、日本シリーズ出場権を得ました。ただ、3位からの日本シリーズ出場はそう簡単ではないことが、過去のデータで見て取れます。

 さらにCS出場権の2位確保と同じくらい、いやそれ以上に重みがあるのは勝率5割確保です。

 なぜか? 金本監督は今年で監督就任3年目です。過去の2シーズンは初年度の16年が64勝76敗3分、2年目の昨季が78勝61敗4分です。今季の最終成績が借金で終わると、監督3年で2度も勝率5割を切ることになるのです。

 2003年に優勝して辞任した星野監督以降、阪神の監督は岡田監督、真弓監督、和田監督と続きます。岡田監督は監督初年度の04年だけ勝率5割を切りましたが、残り4シーズンは全て勝率5割をクリアしました。退任したシーズンも82勝59敗3分。巨人に逆転優勝された責任を取っての辞任でした。

 真弓監督は監督初年度と3年目の2度、勝率5割を切り退任しました。和田監督は4年目の15年に2度目の負け越しとなって退任しています。つまり勝率5割を2度切った真弓、和田両監督はそのシーズンを最後にユニホームを脱いでいるのです。

 「やはり勝率5割を確保できたかどうかが、監督の手腕を測る物差しになる。真弓監督も和田監督も2度目の負け越しの時にチーム内外から批判が出て退任した。監督としての能力を疑問視されると注目度の高い阪神では監督を続けることができないんだ」とは阪神OBの言葉です。

 こうした前例を見れば残り44試合での24勝はマストの条件となるような気もします。金本監督は監督2年目が終わった昨季のオフ、新たに年俸2億円の3年契約を締結していて、今季の成績にかかわらず来季も指揮を執ることが決まってはいます。しかし、真弓監督も退任したときは契約を後1年残していました。スンナリと契約通りに来季に向かうためには、是が非でも勝率5割死守…が求められるのです。

 (2)の責務は来季戦力の見極めです。現有戦力の中で来季、必要な選手と戦力外の選手との区分けを指揮官はジャッジしなければなりません。ポイントを握るのは今季がプロ14年目で34歳の西岡剛内野手と29歳の新外国人ロサリオ内野手ですね。

 西岡は今季、不振と故障などで大半が二軍生活です。アキレス腱(けん)の断裂から復帰を目指したシーズンでしたが、やはり大きな故障の後ですから、なかなか本調子には戻らなかったのでしょう。しかし、年齢的な問題も出てきます。さらに時間的な猶予を与えれば来季、復活するのか否か。監督は球団と話し合いながら慎重に見極めなければなりません。

 そして、ロサリオも簡単に解雇していいのかどうか…。確かに鳴り物入りで加入しただけに、打率・249、本塁打8本という17日時点での成績は期待外れですが、シーズン前半の打撃内容に比べ、8月の打席では粘れるようになり、外角の変化球にバットも止まるようになってきました。試合前には緩いボールを何度も打って、対策を練るなど野球に対する姿勢もまじめです。

 球団内部には「ロサリオは来日してくる外国人選手の中ではトップクラスの選手。あれを打たせなかったら首脳陣の方が悪い。ロサリオでダメなら他のどんな選手を連れてきてもダメだろう」という声もあるのです。確かに年俸3億4000万円は高いですが、新たな新外国人選手を獲得するとなると最低でもトレードマネーを含めて2億円は必要です。2年目に変身、いや成長? を期待するのかどうか。これも金本監督の眼力が問われますね。

 (3)は首脳陣の指導力に対するチェックと必要と見るなら刷新ですね。今季の問題点はハッキリしています。99試合消化時点でチーム打率・249、得点394はリーグ最低。チーム失策数66もリーグ最悪です。打撃では高山や大山、江越、中谷らが伸び悩みました。守備では内野を中心とするポジションの固定化が遅れました。もちろん、選手の方にも大きな問題があるでしょうが、導けなかったコーチ陣の指導能力も問われないといけません。

 金本監督は自身の打撃理論が現状の若手打者に適応しているのか否かの分析も含めて、指導体制の分析を進めないといけないでしょう。

 改めて書きますが、特に(1)の勝率5割&2位確保は絶対的な責務です。死力を尽くして残り44試合に立ち向かわなければなりません。監督3年で2度目の負け越しとなれば、その後に大きなダメージを残すでしょう。それを阪神の歴史は雄弁に物語っています。

植村徹也(うえむら・てつや) 植村徹也(うえむら・てつや)  1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しようへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の金曜日、午後10時から「NEWS TONIGHT いいおとな」( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/iiotona/ )の『今日のトラコーナー』や土曜日午後6時45分からの「まさとと越後屋のスポーツ捕物帖」( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/okini/ )、に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」( http://www.sanspo.com/golf/tokushu/golf-t24944.html )ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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