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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】阪神・高代、平田、久慈の3コーチの責任は重大 内野陣固定できず後半戦次第で追及される可能性が…

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植田海(左)にバントのアドバイスを送る高代コーチ
植田海(左)にバントのアドバイスを送る高代コーチ

 センターラインを中心とする内野陣の固定へ、高代、平田、久慈の3コーチの責任は重大です。阪神は16日からの巨人3連戦(甲子園)で後半戦スタートしますが、残り69試合は逆転Vと若手選手の成長を大目標とするわけです。しかし、前半戦の戦いでは規定打席に到達した若手野手が糸原健斗内野手(25)だけ。開幕前から指摘されていたセンターラインを中心とする内野陣は固定できませんでした。内野手出身3コーチは後半戦の選手起用&育成の結果次第では責任を追及される可能性が高いですね。

 いよいよ後半戦のスタートを迎えました。しかも相手は宿敵・巨人。前半戦4連勝フィニッシュを飾って上り調子の巨人と地元、甲子園球場で3連戦を戦います。その後はDeNA、広島との戦いが続きますね。一気に走って欲しいものです。

 「巨人に3連勝すれば勝率5割に戻る。いい雰囲気になるだろうし、逆転優勝の芽も出てくる。逆に3連敗や、負け越したりすると借金も増えてチームのムードも悪くなるだろう。まずは巨人戦に集中して、なんとしても勝ち越し。できれば3連勝して欲しい」

 阪神OBのひとりはこう語りましたが、まさに阪神ファンの思いはひとつですね。巨人戦3連勝で後半戦に勢いをつけて欲しい…。逆転優勝の足がかりになって欲しいと願っています。

 前半戦35勝38敗1分の借金「3」。首位・広島とは7ゲーム差で折り返した阪神ですが、リーグ全体の低勝率に助けられて3位です。残り69試合で逆転優勝を目指す立場をかろうじてキープしていると言えるでしょう。

 もちろん、金本阪神のもうひとつの大きなテーマである若手野手の育成という意味でも、後半戦の戦いは大事です。金本監督が監督に就任して3年目があと69試合で終わる、という見方もできます。

 さあ、3年でどれだけの選手が成長したのか…。どれだけの選手がレギュラーポジションを奪ったのか…。残り試合では若手野手の成長度も注目されるでしょう。

 逆転優勝と若手野手育成。少し目標地点が離れているようにも受け取られますが、そうではありません。期待した新外国人選手ロサリオが打撃不振で2軍落ち。後半戦スタートの段階でも1軍登録を見送られる状況下では、より若手野手への戦力的な比重が増します。

 つまり、若手野手達が溌剌と活躍し、次々とレギュラーポジションを奪うことがチームの活性化に結びつき、チームの勝率も上げていく。要するに逆転優勝のためのマストな条件が若手野手の成長でもあるわけです。

 そうした状況下で、前半戦の戦いを振り返った時、球団内部からは“少なからず”の不満が漏れ始めていますね。

 「今季の重大テーマはセンターラインを中心とする内野陣の固定だったはず。開幕構想は一塁ロサリオ、二塁鳥谷、三塁大山、遊撃糸原。しかし、前半戦の終盤は一塁陽川、二塁糸原、三塁鳥谷&大山、遊撃が北條。ガラリと変わり、まだまだ変わりそう。いったいいつになったら内野陣は固定できるのか。そういう意味で内野手出身の3コーチの責任は極めて重い。このまま後半戦も猫の目起用となるなら、3コーチは責任を追及されるだろう」とはチーム関係者の話です。

 確かに若手野手で規定打席に到達しているのは糸原だけ。74試合出場で打率・294、本塁打1本、打点19、得点38と数字を残し、二塁のポジションを故障した上本から奪った形です。

 ところが、他のメンバーを見ると三塁定着を期待された大山は57試合出場で打率・204、本塁打2本、打点16、得点13。5月31日にやっと1軍登録された北條は16試合で打率・367、本塁打0本、打点6、得点2。一時は遊撃のポジションを奪ったか…と思われた植田海も58試合出場で打率・223、本塁打0本、打点0、得点22です。

 前半戦の終盤、陽川が調子を上げて23試合出場で打率・337、本塁打3本、打点23、得点10と気を吐き、後半戦の活躍に期待を持たせていますが、果たして勢いは今後も続くのか…。

 ざっと成績を書きましたが、これは各選手の打撃成績だけで、守備面の評価もあわせて見ておかなければなりません。ここのところの北條の打撃成績は悪くはないものの、DeNA戦(8日=甲子園球場)では三遊間に飛んだゴロをファンブルして、決勝点を献上しています。

 遊撃手として三遊間の打球に足がついていけなかったことをどう見るのか。つまり守備範囲の問題です。

 「北條は二塁か三塁の選手。遊撃ではきつい。それがなぜ分からないのか? 首脳陣の視点はどうなっているのか…」とは辛辣な阪神OBの声でした。

 話を戻すと、若手野手を成長させるプロセスとして、その選手に応じたポジションを与え、辛抱強く起用し、鍛えながら成長させなければならないはずです。前半戦の阪神は適材適所の観点がズレていて、辛抱も足りなかった…と指摘されても仕方ないわけですね。

 内野陣は糸原の二塁だけが固定されましたが、後のポジションは未だに流動的と言えるでしょう。果たして後半戦69試合の中でどれだけ早くポジションを固定化できるのか。優勝を目指すという意味でも大きな鍵になりそうです。当然ながら重要テーマを担う指導者にも厳しい視線がそそがれています。

 先に触れましたが、チーム関係者はこう語りました。

 「高代、平田、久慈の3コーチはいずれも内野手出身。1軍コーチ陣に3人の内野手出身コーチがいてるのに、なぜ適材適所で選手を起用せず、さらに鍛え上げてポジションを奪わせられないのか。後半戦も前半戦と同じような状況が続くなら3コーチの指導力が問われるだろう。オフになると厳しい状況が生まれるかもしれない」

 確かに高代作戦兼総合コーチ、平田チーフ兼守備走塁コーチ、久慈内野守備走塁コーチは現役時代、二塁や遊撃で活躍した内野のスペシャリストです。もっと言うなら片岡ヘッド兼打撃コーチと平野打撃コーチも現役時代は内野手で、1軍コーチ陣の中での内野手出身者の比重は極端に大きいですね。

 ならば、専門家としてもっと内野陣の固定&充実を…という声が高まるのも無理はないわけですね。

 後半戦の戦い次第では選手だけではなくコーチ陣の評価も定まります。それぞれが最善の結果を残さないと、この世界は淘汰されるだけなのです。選手と同様、指導者も周囲が納得する結果を残さなければなりませんね。(植村徹也、毎週日曜掲載)

植村徹也(うえむら・てつや) 植村徹也(うえむら・てつや)  1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しようへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の金曜日、午後10時から「NEWS TONIGHT いいおとな」( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/iiotona/ )の『今日のトラコーナー』や土曜日午後6時45分からの「まさとと越後屋のスポーツ捕物帖」( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/okini/ )、に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」( http://www.sanspo.com/golf/tokushu/golf-t24944.html )ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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