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【路線価上昇】労働者の町・西成にも訪日客効果 「レトロな大阪」人気、新今宮は“ミニバブル”の様相

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 2日に公表された平成30年の路線価では、価格の上昇傾向が大阪・ミナミから周辺地域へと波及している。中でも西成(大阪市西成区花園南1)は、前年の上昇率を大幅に上回る前年比5・6%増と、変動率の順位が前年の42位から27位に躍進。訪日外国人観光客(インバウンド)効果が、「労働者の町」の様相を変えつつある。

新今宮駅周辺では多くの外国人観光客が行き交っている(薩摩嘉克撮影)
新今宮駅周辺では多くの外国人観光客が行き交っている(薩摩嘉克撮影)

 一団が大型のキャリーバッグを引く訪日客の姿が見慣れた光景となった新今宮駅前。大阪市西成区内のゲストハウスに泊まる予定というスイスの女子大学生、メリサ・シュワンダーさん(20)は「安くて空港からのアクセスもいいし、繁華街へも近い」と評価。街の印象について、「悪いイメージはないけど、治安が良くないところなの?」と首をかしげた。

 大阪市西成区と同市浪速区にまたがる新今宮駅は、JRと南海が関西国際空港に直結。JR環状線や、近くには大阪メトロ御堂筋線も通っており、ミナミに徒歩圏内という好立地ながら、近くにある「あいりん地区」(西成区)でかつて起きた暴動などの負のイメージがつきまとっていた。

 しかし、新今宮駅の周辺は交通利便性が高く、安価な宿泊施設も多い。その上、なにわのシンボル・通天閣や串カツ店が立ち並ぶ新世界などの観光資源にも恵まれ、「レトロな大阪」が感じられることから人気観光スポットとして訪日客の人気を集める。

西成区・地図
西成区・地図

 大阪を訪れる訪日客は急増しており、大阪観光局によると平成29年は前年比18%増の1111万人。このインバウンド効果が西成にも表れている。

 新今宮駅周辺ではホテルや旅館の進出・リニューアルのほか、民泊に乗り出す業者も相次いでおり、近辺の不動産市場は「ミニバブルの様相を呈している」(地元関係者)。

 大阪市によると、30年3月末時点で西成区内の宿泊施設は110施設と、前年に比べ21施設増えた。民泊仲介大手・米「エアビーアンドビー」のサイトには一般住宅に旅行者らを泊める「民泊」が今年5月時点で千件近く掲載。さらに同駅北側には、高級旅館を展開する「星野リゾート」(長野県)が34年に新ホテルの開業を予定している。

 不動産鑑定士の真里谷(まりや)和美さんは「訪日客に先入観はなく、アクセスの良さなどから宿泊地として選ばれている」と指摘。西成の路線価上昇について、「ミナミに比べると割安で、インバウンド需要が見込めることから不動産関係者も採算が合うと判断しているようだ」と分析する。

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