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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】鳥谷の処遇めぐり重大局面か 迫る「6月13日」

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代打で鳥谷敬を起用する金本知憲監督=17日、甲子園球場(岡田亮二撮影)
代打で鳥谷敬を起用する金本知憲監督=17日、甲子園球場(岡田亮二撮影)

 鳥谷敬内野手(36)の処遇は6月13日までに重大局面が訪れるかもしれません。鳥谷はチーム41試合消化時点(24日)で68打数10安打の打率・147、5打点。それでも連続試合出場は1936試合継続中です。1位の衣笠祥雄(広島)の2215試合まで279試合です。記録の必然性が問われる中で金本監督は起用し続けていますが、DH制が採用される交流戦のビジターでは投手に代打起用がなく、起用法は狭められます。6月13日には阪急阪神HDの定期株主総会が開催。株主からの厳しい批判が予想されるため、鳥谷の処遇はそれ以前に急展開する可能性がありますね。

■このペースなら「珍記録」が…

 鳥谷の打撃の状態が一向に上向きません。チーム41試合消化時点(24日)で80打席、68打数10安打の打率・147、本塁打0で打点5。連続試合出場は継続中ですが、1試合で入る打席数は少なく、このままシーズン終了を迎えれば規定打数に到達しないまま連続試合が続く…という極めて奇妙な記録が残ります。 当然ながらチーム内外ではさまざまな声が聞こえてきます。

 「鳥谷はレギュラーでずっとプレーしてきた選手だから。あれだけ打席数が少ないと調子は上がってこない。二塁に転向させたのだから、もっとスタメンで起用すれば調子が上がってくる」という阪神OBの見方もあれば、逆に「プレーを見ても体にキレがない。プロなんだから、起用法のせいにするのではなく、自分で調子を上げていかないと…。金本監督の温情起用が続く状態を自分で打開しないといけない」という声もあります。

 もっと厳しい声もあります。ポイントになったのは5月12日の広島戦(マツダ)でした。打撃好調だった上本が5日の中日戦(甲子園球場)の初回、二盗を試みた際に左足を痛めました。今季20試合で打率・422だった二塁手が左膝前十字靭帯(じんたい)損傷で長期離脱した直後でした。さらに売り出し中の遊撃・植田海が体調不良でベンチから外れる緊急事態。二塁手と遊撃手の駒が決定的に不足する状況下で、チームの関係者らは「二塁スタメンは鳥谷だろう」と予想していたのです。

 ところが、金本監督ら首脳陣は試合当日に二軍からプロ3年目(2015年ドラフト会議6位指名)の板山を急遽(きゅうきょ)、一軍登録しスタメン起用したのです。板山は起用に応え、五回の第2打席で大瀬良から公式戦初本塁打を左翼に放ちましたが、この起用法を見た関係者は「これはもう鳥谷が戦力外だ…という監督の意思の表れだろう。誰がどう見ても、あそこで鳥谷がスタメン起用されないのは驚きだった。使う気がないのなら、本人と話し合って、二軍に落として再調整させた方がいい。二軍で状態を上げさせて戦力にした方がいいよ」と話していました。

 つまり、現時点での金本監督ら首脳陣の鳥谷評は『少なくとも重要戦力ではない』、もっとハッキリ表現するなら『戦力構想外』と言ってもいいのではないでしょうか? それでも金本監督は鳥谷の連続試合出場を継続させています。一軍枠から外す気配もありませんね。ある阪神電鉄本社首脳は「鳥谷に一番、気を遣っているのは監督。周囲のコーチ陣の声の方が辛辣(しんらつ)だが、監督は鳥谷をずっと試合のどこかで起用し続けている」と首をひねっている状況でもあります。

 しかし、こうした状況に重大な変化が起きる…と予測できる局面が6月に訪れます。

 まず戦局の変化です。今週からいよいよパ・リーグとの交流戦が始まります。6月17日までで対戦カードの順番はソフトバンク、西武、オリックス、ロッテ、日本ハム、楽天です。そのうちDH制が採用されるパ・リーグ本拠地の試合は西武、日本ハム、楽天の3連戦3カード、しめて9試合ですね。

 これまでの鳥谷の起用法は試合の終盤で投手に打席がまわってきたときの代打起用が多かったはずです。首脳陣の評価として二塁の守備力は?マークなので、守備固めには起用しづらい。足もそう速くないので代走も? 結局、投手よりは打つだろう…という感覚での代打起用が多かったですよね。ところが、DH制では投手が打席に入らず、DH要員はロサリオか原口ですね。すると金本監督が戦局に影響しない温情采配を振るえる範囲が極めて狭められます。

 6月1日からの西武戦が最初のビジター3連戦です。所沢のメットライフドームですね。そして12日からの日本ハム3連戦は札幌ドーム。15日からの楽天3連戦は楽天生命パーク宮城です、

 そして、交流戦突入後には“本社側の事情”が浮上してきますね。これはあくまでもこちら側の勝手な憶測ですが…。

 6月13日には阪急阪神HDの第180期・株主総会が大阪市内で開催されます。毎年、株主からの阪神タイガースへの厳しい質問が飛ぶことでも有名です。昨年は阪急側のタイガースへの経営参画を求められたり、阪神電車の車体の色がジャイアンツカラーのオレンジ色だったことに苦言を呈されたり…。そうした声に経営陣はマジメ? に答えていました。かつては福留や西岡の不振で「不良債権ばかりを買って…」と批判された過去もありますね。

 今年は開幕からチーム状況は一進一退で、若手野手の伸び悩みやロサリオの打撃不振などの“攻撃材料”は事欠きませんが、鳥谷の状態&起用法が標的になる可能性は大いにあるでしょう。

 なぜか? 阪神球団は2015(平成27)年から鳥谷と年俸4億円の5年契約を締結しています。総額20億円ですね。来季19年まで4億円を支払い続けるわけです。現状の姿はとても費用対効果に則しているとは思えません。また現状の起用法が続くなら来季はどうなる? 誰が見てもV字回復するとも思えません。ならば連続試合出場を断念させ、二軍で再調整して状態を上げさせる。そして、今季残り試合と来季の「重要戦力」としての価値を取り戻させる方が得策ではないか? という声が飛び出す可能性は大いにあるでしょう。根本的になぜ5年契約の総額20億円だったのか? と経営センスを問われる心配もありますね。

 ならば、6月13日の株主総会の前に鳥谷の処遇を決断することもあり得るのではないか-。ならばうるさい株主の声を封殺できる…。そんな声がチーム周辺から漏れてきていますね。指揮官の耳に届いているかどうかは疑問ですが…。

 すでに起用法について金本監督と鳥谷は何度か話し合いを持っている、という情報もあります。あくまでも想像ですが、監督は鳥谷自身が自分の状態をどう見ているか、記録に対する気持ちはどうなのか…などを聴取したのでしょう。交流戦のDH制&株主総会-。鳥谷を取り巻く環境は厳しさを増していますね。   =続く(特別記者・植村徹也、毎週日曜に掲載)

植村徹也(うえむら・てつや) 植村徹也(うえむら・てつや)  1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しようへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の金曜日、午後10時から「NEWS TONIGHT いいおとな」( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/iiotona/ )の『今日のトラコーナー』や土曜日午後6時45分からの「まさとと越後屋のスポーツ捕物帖」( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/okini/ )、に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」( http://www.sanspo.com/golf/tokushu/golf-t24944.html )ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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