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ビジネス紛争は大阪で解決 国内初、国際仲裁の専用施設が開設

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 国際的なビジネス紛争の解決を図るための手続き「国際仲裁」を行う専用施設が、国内で初めて大阪に開設された。「日本国際紛争解決センター」で、中之島合同庁舎(大阪市福島区)内に設けられた。海外企業と紛争が生じた場合、関係者が集まって審問を開くが、自国で行うことができれば、時間やコストを軽減できるなどのメリットがある。関係者は、同センターの設置で契約トラブルなどへの懸念を解消し、日本企業の海外進出を後押ししたい考えだ。

 「これまでは海外で仲裁を行わなければならず、日本企業は泣き寝入りすることもあった。開設は問題を根本から変化させる第一歩だ」。4月26日に同施設で開かれたオープニングセレモニー。運営主体の一般社団法人「日本国際紛争解決センター」(東京)代表理事の青山善充・東大名誉教授は、国際仲裁の場合に、日本企業が海外に出向くなどの不利な状況が解消されることへの期待を込めた。

 同施設は5月1日に運用開始。国際仲裁の場で必要となる同時通訳やテレビ会議に対応する設備、控室などを備える。同法人は2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、同様の施設を東京にも開設する予定にしている。

 国際仲裁は全世界で年間2千件以上行われている。日本企業の海外進出が進む中、紛争に巻き込まれるケースも少なくなく、近年では、半導体子会社「東芝メモリ」の売却で対立していた東芝と米ウエスタン・デジタル社や、提携解消をめぐるスズキと独フォルクスワーゲン社の紛争が国際仲裁機関で裁かれ、話題となった。

 仲裁を行う場所(国)に定めはないが、自国で開くことが有利とされる。双方の意見を聞く審問に出席する時間や移動のコストが軽減されるほか、会社とのやりとりもスムーズにできるからだ。さらに、仲裁に合意した後で有効性や手続きに争いが起きた場合、仲裁が行われた国の裁判所で、その国の法律に基づいて判断される。

 これまで日本にはビジネス紛争を取り扱う仲裁機関はあっても、審問を行う専用施設はなかった。ホテルの一室を借りるなどして代用しており、国際仲裁に詳しい弁護士によると、場所がないことを理由にして海外企業が日本で国際仲裁の手続きを行うのに難色を示すこともあったという。

日本国際紛争解決センターで4月に開かれたオープニングセレモニー。仲裁もこの場所で行われる=大阪市福島区
日本国際紛争解決センターで4月に開かれたオープニングセレモニー。仲裁もこの場所で行われる=大阪市福島区

 国際仲裁は、国も経済成長を支える司法インフラと位置づけ、昨年9月、関係府省連絡会議を立ち上げて活性化策を検討。海外への実務家派遣、大学での人材育成などを盛り込んだ中間案を取りまとめている。

  

 センターを利用できるのは、午前9時~午後1時▽午後1時~5時▽午後5~9時。費用は各時間帯、大会議室が5万円、中会議室が1万円、小会議室が5千円。問い合わせは一般社団法人「日本国際紛争解決センター」((電)03・5413・6272)。

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