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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】4億円…鳥谷1908、09…連続試合出場の継続が重大ピンチ!

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ヤクルト戦4回、安打を放つ阪神の鳥谷敬 =15日午後、兵庫県西宮市の甲子園球場(山田喜貴撮影)
ヤクルト戦4回、安打を放つ阪神の鳥谷敬 =15日午後、兵庫県西宮市の甲子園球場(山田喜貴撮影)

 鳥谷の連続試合出場の継続が重大ピンチ!! 阪神・鳥谷敬内野手(36)は今季から二塁転向。プロ15年目のシーズンを迎えましたが、開幕12試合の時点で打率・111、本塁打&打点は0。連続試合出場はNPB歴代2位の1908試合(14日時点)に継続中ですが、金本知憲監督(50)の我慢の起用はどこまで続くのか…。球団内には「鳥谷の起用法は監督に一任」という声もあり、来季(19年)までの5年契約(年俸4億円)を考慮しなくてもいい、という姿勢です。状態を上げていかないと大きな岐路に立たされますね。

■周囲の視線は厳しさ増す一方…

 金本阪神は開幕12試合終了時点で6勝6敗。勝率5割です。オープン戦では2勝12敗2分と低空飛行を続け、心配しましたが、開幕後はなんとか持ち直したと言えるのかもしれません。内容を見ると明らかな投高打低です。チーム防御率は2・87でリーグトップ。逆に打線はチーム打率・218はリーグ最下位。盗塁もわずか1でダントツ最下位(いずれも14日のヤクルト戦終了時の記録)ですね。

 金本監督も「みんな打ってない」と渋い表情ですが、打てない、走れないチームを投手陣が必死でカバーしている、と表現すれば間違いではないでしょう。

 このコラムでも書いたばかりですが、打線の中心である4番ロサリオは打率・217で本塁打1本。キャンプで見せた豪快な打撃は見られず、まだ本調子になっていませんね。韓国ハンファ時代を知る球界関係者が「相手球団が一回りすれば、相手投手やバッテリーの攻め方を把握して、もっと投球を自分のミートポイントに呼び込めるようになる。ならば打ち始める」と話していたことを紹介しました。それが本当なら週明け17日からの中日3連戦(豊橋、ナゴヤD)から打撃の状態が上がってくるはずです。期待したいような、期待するのが怖いような…ですが、まあ見守るしかないでしょう。

 そして、もうひとり心配なのが鳥谷です。今季は大山の三塁起用に伴い二塁に転向しました。春季キャンプ中に金本監督から二塁転向を打診された際、少しも嫌がらずに新天地に移ったことにチームの周辺ではさまざまな声が流れました。

 「監督が大山を起用したい、という気持ちが凄(すご)く強いのが分かっていたし、三塁にこだわるとレギュラーを掴(つか)めないという判断だったのだろう。それでも二塁を言い渡した監督の方が(鳥谷が)あまりにも素直に聞き入れるので拍子抜けした、という話も聞いた。昨季が遊撃から三塁。今季が三塁から二塁。なんだかタライ回しにしているような感じだけど、鳥谷だから受けいれた…という見方が強いんだ」とは球団関係者の言葉です。

 しかし、物わかり良く新天地を受けいれても成績が伴わないと立場は苦しくなりますね。いざ開幕して12試合の時点で打率・111。本塁打も打点も0です。13日のヤクルト戦(甲子園)も4打数ノーヒットで4日のDeNA戦(横浜)で放った右二塁打を最後に16打席連続ノーヒット。14日は3試合ぶりスタメン落ちでしたが八回に代打で出場。石山から四球を選んで出塁し、そのまま二塁の守備へ就しました。

 打撃の状態が上向きにならない中、金本監督は連続試合出場の継続のために、スタメンを外した際は守備固めや代打での起用を続けています。14日終了時点でNPB歴代2位の1908試合出場ですね。歴代1位の衣笠祥雄氏(広島)の2215試合まで後308試合に迫っています。

 金本監督自身も現役時代の終盤、調子が悪くても連続試合出場の継続に配慮された経験があります。今度は同じ記録の継続を監督として配慮する立場になったというわけですね。これを“因果応報”と表現すると少し意地が悪いですね。同じアスリートとして相手の立場を理解した上での起用と言えばいいはずです。

 監督の配慮、気配りは理解するのですが、チームの周辺にはこんな声も流れ始めています。

 「鳥谷を守備固めで起用する試合を何度か見たけどなぁ…。今の彼の状態を見る限り、守備固めにはなっていない。二塁としての守備範囲も広くない。それにスナップスローが苦手だから5-4-3、6-4-3の併殺が取れないケースもあるんだ。三塁や遊撃方向から送球を受けた後、一塁に素早く送球するにはスナップスローが大事。しかし、鳥谷は肩でスローイングする選手だから送球が遅くなる。打者走者を生かしてしまう」

 阪神OBの指摘です。となると鳥谷の守備固めとしての二塁起用には違和感が出てきます。体のキレ自体が上がってこない…という分析もあり、鳥谷に対する周囲の視線は厳しさを増す一方なのです。

 鳥谷は15年から年俸4億円の5年契約を締結しています。来季19年までの契約ですね。大型契約だけに球団サイドとすれば「費用対効果」の側面からもグラウンドで頑張ってほしいはずです。ただし、球団内部からは起用法について「それは監督一任。われわれは戦力を監督に預けた立場。口出しはしません。鳥谷の状態が上がらず、今のように起用しても結果を出せないなら、極端な話、二軍で再調整させるのもアリだと思う」という発言も出ています。かなり踏み込んだ言葉ですが、それだけ現状の鳥谷のプレーに対する評価が厳しいという表れでしょう。

 果たして今後はどうなるのか。金本監督は「できる限り(打席に)立たせて状態を上げてもらわんと」と話しています。鳥谷は代打や守備要員で出場しても状態が上がってこない、スタメンで多くの打席を与える中で状態を上げてくる選手…と見抜いた上での発言のように思えますね。ただ、打席で結果を出せなければ鳥谷のスタメン起用はチームに大きなデメリットを生みかねません。それでなくても“打低”の状況で鳥谷の結果待ちを続けるのは極めて厳しいでしょう。

 まだ開幕12試合なのです。これがシーズン終盤なら選手個々の個人記録に配慮した起用も続けられます。春先から個人記録ありきの起用はチーム全体をおかしくする側面もありますね。

 鳥谷は指揮官の配慮が継続できる「許容範囲」の中で復活しなければなりません。先にも触れましたが、大型契約を結んだ球団は「監督一任」の姿勢ですね。金本監督の我慢が限界になるのか、その限界点までに打撃復調となるのか…。

 プロ15年目のシーズンはまだ始まったばかりですが、鳥谷のプレーから目が離せなくなってきました。プロ野球は結果主義です。36歳の功労者にもその絶対的な鉄則が容赦なく突きつけられている、ということですね。   =続く(特別記者・植村徹也、毎週日曜に掲載)

植村徹也(うえむら・てつや) 植村徹也(うえむら・てつや)  1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しようへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の金曜日、午後10時から「NEWS TONIGHT いいおとな」( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/iiotona/ )の『今日のトラコーナー』や土曜日午後6時45分からの「まさとと越後屋のスポーツ捕物帖」( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/okini/ )、に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」( http://www.sanspo.com/golf/tokushu/golf-t24944.html )ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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