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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】開幕G戦1勝1敗…優勝やはり藤浪「復活」が絶対条件だ!

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開幕・巨人3連戦の2戦目、巨人の岡本和真に中適時打を浴びた阪神の藤浪晋太郎=3月31日夜、東京ドーム(矢島康弘撮影)
開幕・巨人3連戦の2戦目、巨人の岡本和真に中適時打を浴びた阪神の藤浪晋太郎=3月31日夜、東京ドーム(矢島康弘撮影)

 藤浪復活が優勝への絶対条件-。それを改めて痛感しました。阪神は開幕・巨人3連戦(東京ドーム)の初戦をメッセンジャーの粘投と大山の活躍などで5-1で先勝。続く2戦目は4点のリードを守れず4-8の逆転負け。ポイントは六回を続投した藤浪晋太郎投手(23)が制球難で崩れた場面。金本監督は「判断ミスと言われても仕方ない」と自戒の弁ですが、第2戦先発抜擢(ばってき)や続投判断は藤浪の右腕なくしては優勝に届かない…という台所事情を勘案したからでしょう。藤浪は全身全霊で指揮官の期待に応える責務があります。

■ロサリオ第1号! 快音続く猛虎だからこそ…金本監督も「藤浪、かなり迷ったんだけど…」

 伝統の一戦、巨人戦での開幕。ある意味、全てをリセットするには格好の相手だったでしょう。中日、阪神、楽天を率いた星野仙一監督は打倒・巨人を最大の目標に掲げて「巨人戦はビタミン剤や。アドレナリンが出てチームが不調に陥っているときでも元気が出る」と話していました。オープン戦2勝12敗2分で12球団最下位に終わっていた阪神にとって、伝統の巨人戦でスタートできることはかえってチームを一丸にできるチャンスだったと思います。

 そして、開幕2試合を終えた時点で1勝1敗。好材料も反省点も出ていました。開幕戦ではキャンプのブルペンから「不安説」が流れていたメッセンジャーが粘りの投球で7回を1失点。ベンチでは金本監督とグータッチ。三塁を任せた大山が貴重な2ラン。福留が先制弾、糸井も活躍するなどベテラン勢も元気な姿を見せました。

 「(大山の2ランは)右方向に素晴らしいバッティング。完璧でしたね。あれできょういけるんじゃないか…という気になりました。(メッセンジャーは)先頭打者の陽にいきなりカーブを打たれたんですけど、(リードする)梅野もその後にカーブを消さずにうまく緩急をつけて根気強く投げました。メッセンジャーに声をかけた? そうありがとうの一言ですね」

 試合後の金本監督もヒーローたちを称賛する言葉が続き、上機嫌でした。

 そして第2戦。試合の主導権を奪ったのは初戦同様に阪神でしたが、4-2の2点リードで迎えた六回裏に暗転。先発の藤浪が先頭の岡本に左前に運ばれると長野に四球。バントの構えの小林にはストライクが1球も入らず無死満塁。ここで岩崎に継投も、同点に追いつかれその後の逆転負けに…。

 六回表の攻撃の場面、一死二塁のチャンスで藤浪が打席に入りました。五回まで5安打3四球で2失点だったのですが、そのまま代打を送らず打席に。結果的に続投が裏目に出たわけですね。

 試合後の金本監督は「(藤浪は)なんとかしのいだりとか、五回がよかっただけに、かなり迷ったんだけど。でも、あの回(六回)に崩れたわけですし、判断ミスと言われも仕方ない」と自戒の言葉を漏らしていました。藤浪も「いい球もあっただけにすごく悔しい。六回は力んでしまった。しっかり抑えたい気持ちが強すぎた」と悔しそうでした。

 藤浪続投についてはさまざまな意見や見方があると思います。リードしている展開で六回の打席で代えてあげることで自信が付いたのでは…とか、いやいやむしろ長いシーズンを見通せば六回無死満塁でも続投させて苦難を乗り越えさせるべきだったのでは…とか。色々な声があると思います。しかし、記録に残った結果はひとつしかないわけですから、これ以上の言及はできないですね。

 ただし、改めて痛感するのは藤浪という投手の価値です。オープン戦でも完全復調とは思えなかった藤浪をそれでも開幕第2戦で投げさせた理由、あの六回表の打席で代打を送らず続投させた理由…。金本監督の深層心理を探れば答えはこれでしょう。

 『藤浪の復活なくしては阪神のリーグ優勝はない。藤浪が復調すれば優勝への距離がグッと縮まる。今季の鍵を握る投手こそ藤浪だ』

 試合後、香田投手コーチは「五回で(交代)というのも選択肢だったかもしれないけど、今年1年を考えたときに、もう少し行って(投げて)もらわないといけない選手」と語っていましたが、まさに言葉の通りです。

 開幕戦でメッセンジャーが昨季同様に先発ローテの軸で回れる計算が立ちました。第3戦の秋山やその後に続く小野や能見、高橋遙、岩貞らが先発スタッフでしょう。こうした先発陣で優勝するためには合計70勝以上を稼がなければなりません。リリーフ陣で10勝を拾うとしても、先発陣が安定しなければ無理な相談ですね。先発が不安定ならばリリーフ陣も登板過多となり、負の連鎖に陥ります。現状の先発スタッフを見つめ直せば分かります。やはり藤浪が2ケタ勝たないと優勝ラインには届かない。ソロバンを弾けば弾くほど藤浪の右腕が絶対に必要なのです。

 「藤浪が今季どうなるか? はシーズン初戦の登板でほぼ見えてくる。悪ければ昨季のように3勝か4勝やろ。良ければ2ケタがある。それほど重要なマウンドになる」とは阪神OBの言葉でしたが、では3月31日の結果はどっちだったでしょうね。「継続審議」と言えば正解の範囲のはずです。

 では、今後の藤浪の立ち位置はどうでしょう。状況は変わらないはずです。阪神が今季、13年ぶりのリーグ優勝を果たすためにはやはり藤浪の右腕が必要不可欠です。乱れようが、打たれようが先発ローテで投げさせて、自信を完全回復させるしかありません。金本監督の腹は決まっているはずです。開幕第2戦に抜擢した。フラフラでも六回も続投させた。すべては藤浪よ、きっと復活するだろうからチャンスは与え続けるぞ…という無言の意志だったはずです。

 応えなければなりませんね。鉄人の不変の信頼に応えるべく、マウンドで一心不乱に腕を振ることです。チームの優勝のためには自分の力が絶対に必要なんだ、と意気に燃えれば逆にマウンド上での不安感も吹き飛ぶのではないでしょうか。

 「藤浪はマウンド上で相手打者と戦わずに、自分自身と戦っている。球が抜けたらどうしよう、四球は嫌だ…と。そんな雑念にとらわれずに死球や四球が出ても仕方ないんだ、自分のピッチングは荒れ球なんだ…と開き直ればいいのにな」とも阪神OBは語っていましたね。

 指揮官だけではありません。ベンチのスタッフも同僚の選手たちも藤浪に復活してほしい、という気持ちに溢(あふ)れています。信頼の先に落胆が訪れないことを祈るばかりですね。藤浪はきっと這(は)い上がってくると信じたいですね。そして、這い上がらなければならない責任があると自覚するべきです。  =続く(特別記者・植村徹也、毎週日曜に掲載)

植村徹也(うえむら・てつや) 植村徹也(うえむら・てつや)  1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の月~金曜日午後9時からの「NEWS TONIGHT いいおとな」、土曜日午後6時半からの「ニュース・ハイブリッド」に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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