PR

【鬼筆のスポ魂】ゲッソリ激痩せ清宮、結果が出ないストレスが原因か 「心技体」充実を

PR

11日のDeNA戦で三振に倒れる清宮幸太郎
11日のDeNA戦で三振に倒れる清宮幸太郎

 あまりの激痩せぶりが話題になった。東京都国分寺市で16日に行われた早実高の卒業式に出席した日本ハムのドラフト1位ルーキー、清宮幸太郎内野手(18)のことだ。初等部から12年間を過ごした母校を巣立つ清宮は「これで卒業なのかという感じで、まだ実感がない。(野球と)学業との両立とか、人としても多くのことを学んだ」と話したが、卒業証書を受け取る顔はゲッソリと痩せていた。

 誰もがここまで苦しむとは思わなかった。高校1年生からスラッガーとして期待され、高校通算本塁打111本は史上最多記録。公式戦に限った通算成績は70試合出場で打率・405、本塁打29本、95打点だ。昨年10月26日に行われたドラフト会議では1995年の福留孝介(現阪神、当時はPL学園高)に並ぶ7球団の競合の末に日本ハムが交渉権を獲得。まさにスーパールーキーとしてプロ野球界の門をたたいたのだ。

 ところが、春季キャンプを経て臨んだオープン戦では打撃不振に苦しんだ。19打席で15打数ノーヒット。11日のDeNA戦では4打席連続三振を喫した。その後、限局性腹膜炎で都内の病院に緊急入院。早実高の卒業式は一時退院して駆けつけたものだ。

 清宮は自身の打撃について「悪くはないかなと思うんですけど、なかなか仕留められない。木(製のバット)ですね。やはり、そこに尽きてしまうかと思います」と話した。高校時代に使っていた金属バットとの違いに戸惑い、結果が出ないストレスが体に変調をきたす原因になったのだろう。

 トップアスリートの世界では、よく「心技体」という。精神力と技術、そして体力が伴っていないとトップレベルのスポーツ界では結果を出せないと言われる。古い話で恐縮だが、1985(昭和60)年に阪神を日本一に導いた吉田義男監督がよく話していた。

 「心技体というが、私は順番が違いますわ。まず体です。体力がないと心も技もついてこないんですわ。まず体ですわ」

 トップを極めた人にはそれぞれ持論があって、吉田監督の場合は「強靱(きょうじん)な体力」が優先されていた。今回の清宮の場合はどうだろう。自信満々に入ったプロの世界でスピード、パワーなどの技術の面で壁にぶち当たった。打撃不振から心にストレスがたまり、それが体の変調に及んだ。つまり、技→心→体の順番でむしばまれたといえば、正しい表現だろうか。

 高校からドラフト指名された野手のプロ野球OBにこんな話を聞いたことがある。「野手に限って言えば高校からすぐにプロに入るのはやめた方がいい。あまりのレベルの差にショックを受け、焦って故障したりする。逆に言うなら球団は野手に限れば社会人や大学出を指名した方が失敗は少ないですよ」-。

 ただ、清宮は普通の選手ではない。「超」が付く高校出身の選手だ。プロ野球と高校野球のレベルの差を乗り越えて活躍できると判断したからこそ、7球団も競合したのだ。清宮が現状を打破し、やはり清宮だった…と言われる日が来ることを願いたい。そのためには、心技体の充実が絶対に必要だろう。今は苦しいだろうが、まず静養し、体と心を立て直して技術を磨いてほしい。まだプロ野球人生は始まったばかりである。(特別記者 植村徹也)

     ◇

【プロフィル】植村徹也 1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の月~金曜日午後9時からの「NEWS TONIGHT いいおとな( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/iiotona/ )」、土曜日午後6時半からの「ニュース・ハイブリッド( http://www.obc1314.co.jp/bangumi/hybrid/ )」に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

この記事を共有する

関連ニュース

おすすめ情報