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【芸能考察】意外な日本のドラマ意外な国で人気に…放送コンテンツ海外輸出で見えてきたTV局の活路

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国際映像コンテンツ見本市「MIPTV」レッドカーペットで、海外のメデイアから取材を受ける「CRISIS 公安機動捜査隊」出演の西島秀俊(左)=平成29年4月、仏カンヌ(関西テレビ提供)
国際映像コンテンツ見本市「MIPTV」レッドカーペットで、海外のメデイアから取材を受ける「CRISIS 公安機動捜査隊」出演の西島秀俊(左)=平成29年4月、仏カンヌ(関西テレビ提供)

 海外では日本のアニメをはじめ、日本の番組が放送されている。ここ数年、日本のアニメやドラマなど放送コンテンツの輸出が増加しているのだ。関西テレビ(大阪市)は、昨春に仏カンヌで開かれた国際映像コンテンツ見本市でプレミア上映された同局制作のドラマ「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」が話題を集めたことを機に、海外におけるビジネス展開を本格的に始動させた。「よいコンテンツを制作することが、確実に収益につながる」と自信をもつ。(杉山みどり)

“後発”カンテレ、「CRISIS」で注目

 海外展開のきっかけは、関テレの岡田美穂・コンテンツビジネス局長が一昨年の秋に、国際的な見本市を訪れたことだった。そこでは、FOXやWarner、BBCなど世界のテレビ局をはじめ、日本からはNHK、フジテレビ、TBSなどのキー局が大きなブースを構えている。在阪局である朝日放送は「探偵!ナイトスクープ」、読売テレビは「名探偵コナン」といった看板番組のブースもあった。

 岡田局長は、「他局に比べ、いかに後れを取っているかを、まさに“体感”しました」と話す。同時に「海外市場は新たなビジネスチャンス」であると感じた。帰国後、半年後に開催される国際見本市への本格的な参加を計画する。日本のアニメは人気だが、同局はアニメを制作していない。そこで、ゴールデン帯放送の自主制作ドラマを売り出すことにした。

 運も味方した。世界100カ国、1万4千人以上のバイヤーが集まる国際見本市「MIPTV」の初企画である「アジアワールドプレミア」公式上映作品の第1作目に同局のドラマ『CRISIS』が選ばれたのだ。しかし、後発である関テレの知名度は低いため、「上映会に人が集まるか不安で仕方なかった。みんなで朝からチラシを配りましたよ」と振り返る。

 結果、会場の280席は満席で立ち見も出るほどの盛況を見せた。観客と一緒に上映を見ようとした出演者の西島秀俊さんも席を譲るほどだった。「日本のドラマは韓国をはじめとするアジア圏では一定の需要がありましたが、ヨーロッパなどではあまり認知されていませんでした。この上映を機に、これまで取引のなかった国からも声がかかるようになりました」。予想を超える反響に手応えを感じたという。

トルコで人気、日本のシリアスドラマ

 一方、キー局である日本テレビ(東京都)は平成22年に放送したドラマ「Mother」が一昨年、トルコでリメイクされ大ヒットとなった。全11話の日本版より話数を増やした33話が放送され、高視聴率を獲得。さらに、トルコ版「Mother」の同国でのヒットを受け、世界12カ国以上での放送が決定している。日本テレビ海外ビジネス推進室の畑山篤室長によると、この取引で同局として初めて、ドラマのフォーマット販売で印税収入を獲得できたという。

 「フォーマットおよびリメイク」とは、バラエティー番組などのコンセプトや制作手法をフォーマットとして海外へ販売、またはドラマなどの舞台設定や登場人物などの構成要素を取り出してリメイク権として販売。それに基づき海外の放送局や制作会社が現地の出演者やスタッフを活用して番組を制作、放送することをいう。

 米国に次ぐテレビドラマの最大の輸出国であるトルコでは、日テレの「Woman」(25年放送)リメイク版も作秋に放送が始まり、関テレの「僕のやばい妻」(28年放送)のリメイクも決定している。「トルコではシリアスなドラマがヒットする傾向があるようです」と岡田局長。

海外に出てしまえば東京も大阪も関係なし

 総務省の調査によると、日本の放送コンテンツの海外輸出額は、22年度の66億3千万から毎年増加を続け、27年度に288億5千万円(対前年度比58%増)と大幅に伸びた。これを受け、新たな目標として「2020(平成32)年度までに500億円」を掲げている。

 27年度の輸出の内訳は、番組放送権が96億6千万円、インターネット配信権が85億7千万円で、フォーマット・リメイクは16億3千万円となっている。ジャンル別ではアニメの輸出が76・6%、バラエティーが10・8%、ドラマは10%。

 準キー局といわれる大阪のテレビ局の自主制作番組の放送は、地域が限られているものが多い。しかし、岡田局長は「海外に出てしまえば、東京も大阪も関係ない。良質のコンテンツを制作すればビジネスは海外規模で広がり、確実にマネタイズ(収益化)が見込めます」と自信を持つ。アニメもドラマもバラエティーも海を越えて“売る”時代ということだ。

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