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【新幹線台車亀裂】川重の作業責任者、「思い込み」で鋼材削る指示 マニュアルで禁止も理解せず

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 JR西日本が所有する新幹線のぞみの台車枠に亀裂が見つかった問題で、川崎重工業が台車を製造した際、作業員が現場に張り出されたマニュアルを読んでいなかったことが2日、分かった。責任者が「思い込み」で作業員に鋼材を削る指示を出していたことも判明。厚さが基準の7ミリをを満たさない台車は、ほかにJR東海分も含めて146台あり、ずさんな品質管理と安全意識の欠如が浮き彫りとなった。

 川重が製造時の注意事項をまとめた「作業指導票」は、強度に影響が及ぶとして台車枠の鋼材を削ることを禁じていた。指導票は作業現場に張り出されていたが、40人の作業員はこれを読ます、責任者も内容を理解していなかった。

 一方、業界内の作業基準では、溶接部位に近い場所に限り、鋼材を最大で0・5ミリ削ることを認めていた。だが責任者は「0・5ミリまでなら全体を削ることができる」と誤解。さらに、作業員への指示で「削るのは0・5ミリまで」と告げなかったため、底面が広範囲にわたり削られ、中には厚さが基準の7ミリを大幅に下回る箇所(かしょ)もあった。

 鋼材を削ったのは、「軸バネ座」という部品を接合する際、密着度を高めるためだったという。川重は「鋼材を削ったのは間違った作業方法で安全への意識がなかった。教育の欠如が大きな反省点」としている。

 また、亀裂の断面をJR西などが詳しく調べたところ、底面の溶接部分の2カ所に、溶接工程で生じたとみられる割れがあったことも明らかになった。この割れが元となり、周辺の強度不足によって亀裂が広がったと考えられるという。

 川重は納品前に、1台車につき約100カ所の溶接部位について、微細な傷を探す超音波検査を実施していたが、今回の亀裂箇所は「強度に余裕がある場所」として、検査の対象外だった。

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