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【衝撃事件の核心】女児を狙った卑劣な犯行 スプレー噴射事件の犯人はまさかの市役所職員 地域社会に衝撃

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衝撃事件の核心

女児を狙った卑劣な犯行 スプレー噴射事件の犯人はまさかの市役所職員 地域社会に衝撃

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女児が男にスプレーを吹きつけられた県道の現場付近=田辺市 2/2枚

 ランドセルを背負った下校途中の女児が、わいせつ目的で近づいてきた男にスプレー缶で液体を吹き付けられる事件が昨年12月、和歌山県田辺市で起きた。逮捕されたのは同市の臨時職員の男(20)=今年1月に懲戒免職=で、市立小学校に通う女児(8)は顔の皮膚がただれる全治3カ月の重傷。本来は市民や子供たちを守る立場にある「公僕」による卑劣な犯行は地域社会に衝撃を与えた。男が犯行に使った乗用車からはアニメの美少女キャラクターのぬいぐるみも見つかった。無抵抗の女児の顔にスプレー缶を向けた男の“素顔”とは-。

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泣き叫ぶ女児

 「ねえ、ちょっと」。同市内に住む被害者の女児がそんな言葉で呼び止められたのは昨年12月19日の昼下がりだった。場所はうっそうとした山林に囲まれた県道。男は乗っていた車から降りて女児に近づき、突然、持っていたスプレー缶で液体を吹き付け、車で逃げ去ったという。

 女児は近くの梅農家に逃げ込み助けを求めた。「女の子は『痛い、痛い』とずっと泣いていた」。家にいた80代の女性はこう振り返った。

 女児の証言などから間もなく逃げた車が特定され、容疑者が浮上。男は田辺市の臨時職員(20)だった。

 県警は翌20日、傷害容疑で男を逮捕。男は当初、動機について「女児が車の前に飛び出してきたので腹が立った」などと供述していたが、その後の取り調べに「体を触ろうと思った」とわいせつ目的だったことを認めた。「催涙スプレーを使った」と話しているという。県警は容疑を強制わいせつ致傷に切り替え送検した。

 さらに捜査の過程で男が前年の平成28年6月、市内の公園で遊んでいた別の小学生の女児を一時的に公衆トイレに監禁していた疑いも浮上。男は「トイレがどこにあるのかを教えて」などと女児に声をかけ、トイレに案内させていた。

 男は「誘拐するつもりはなく、監禁もしていない」と一部を否認したが、押収した男のパソコンに一部始終を写した動画が残っていたことから、県警は今年に入って男を未成年者誘拐と監禁容疑で再逮捕した。男はこの犯行時、未成年だった。

 ある捜査関係者は「いずれも抵抗できない女児を狙った卑劣な犯行だ」と憤りをあらわにする。

おとなしい人

 「おとなしい人だと思っていたのに、こんなことをするなんて…」。男の自宅近くに住むパート従業員の女性は驚きを隠さない。男が勤務していた田辺市役所でも勤勉な職員として通っていたようだ。

 男は昨年4月に臨時職員として採用され、水産課に配属。8月から管理課に移り、道路の占有許可や測量の補助業務などに携わっていた。同僚たちからは「口数が少なく、仕事はきちんとこなす」と評価されていたという。

 一方、アニメ好きの一面もあったのか。犯行で使われた車には人気アニメの美少女キャラクターのぬいぐるみが置かれていた。

 12月の犯行の前日には、「急用があるので休ませてほしい」と無料通話アプリ「LINE(ライン)」で上司に伝え、翌朝にも改めて電話で欠勤を報告。その上で犯行に及んでいた。さらに、事件後も変わった素振りはなく、県警に逮捕されるまで何食わぬ顔で出勤を続けていた。

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  • 事件を受け、教員らと一緒に集団下校する児童たち=田辺市