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【メガプレミアム】まるでヒッチコックの「鳥」 ムクドリ1万羽が市街地に集結の大迷惑…一掃作戦にタカが活躍中

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まるでヒッチコックの「鳥」 ムクドリ1万羽が市街地に集結の大迷惑…一掃作戦にタカが活躍中

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電柱に飛来したタカ(右下)に驚き、周囲に飛散するムクドリ=三重県四日市市 1/9枚

 三重県四日市市の中心市街地の街路樹などに約1万羽のムクドリがすみ着き、鳴き声による騒音被害やふん害が多発し、付近の住民から多くの苦情が市に寄せられている。このため市は今年夏から、鷹匠(たかじょう)が操るタカを使ったムクドリの一掃作戦を始めた。タカを放つとムクドリが驚いて逃げる。これを何日かにわたって繰り返し、ムクドリにこの一帯を“危険地帯”だと認識させ、完全に追い払う作戦だ。果たして効果のほどは?(絹田信幸)

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市役所前は減ったが

 9月中旬の四日市市役所前の中央通り周辺。夕暮れどきになると、ムクドリが街路樹やビルの屋上にずらりと並んでとまり、鳴き声をあげていた。

 そこへ市から委託された鷹匠3人が2羽のタカをゲージから出し放つと、ムクドリは一斉に飛び立ち、やがて姿を消した。“役目”を終えたタカはすぐに鷹匠のもとに帰ってきた。

 8月まで騒がしかったムクドリも、放鷹(ほうよう)を始めてから市役所周辺では数が減ってきた。ところが今度は、市役所から約500メートル離れた近鉄四日市駅西側の街路樹などを新たな“ネグラ”にし始めたという。

 そこで鷹匠らはその場所にも出向き、電線やクスノキに群がるムクドリめがけてタカを放った。驚いたムクドリはここでもちりぢりになった。

住民から苦情

 ムクドリは約10年前から四日市市の市街地で目立つようになり、3年前からフクロウなどの外敵のいない、中央通りの約500メートルに並ぶクスノキ約80本にすみ着き始めた。

 群れで生活するムクドリは日中は田畑などでエサをとり、日没前に戻ってきて、早朝にまたエサを探しに飛び立つ。約1万羽いるとみられ、騒音被害やふん害は相当なもの。鳴き声は夜半まで絶えず、早朝の路面はふんだらけで悪臭も漂い、住民らの苦情が絶えなかったという。

山へ追いやる

 放鷹作戦は、薄暮から太陽が沈むまでの数時間行っている。市は8~10月に約30日にわたって実施する予定で、事業費は約250万円。

 鷹匠らによると、ムクドリはタカがいることで、その付近をネグラにすることをあきらめ、別の場所に移動していく。まだ完全に市街地から離れていないが、今後も月に2、3回、放鷹を繰り返すことで、怖がってすっかり来なくなるという。市は最終的には山などへ移動させたいとしている。

 中央通り沿いのクリーニング店の女性従業員(24)は「ジャージャージャーと鳴き声がうるさいし、ふんが臭くて困っていたが、最近は数が減ってほっとしている」と話す。

ハトやカラスにも放鷹

 ムクドリの害に悩む地域は多く、こうした放鷹は他でも行われている。放鷹で鳥害対策を行う会社「Green Field」(大阪市)の取締役で鷹匠の岡村憲一さん(56)は「常時、30~40団体と契約し放鷹をしている。ムクドリ以外ではハトやカラスなどもある」と、多くの要請があることを明かす。四日市市に鷹匠を派遣したのも同社だ。

写真ギャラリー

  • いったんビルの屋上にとまり、クスノキのねぐらが安全かどうか観察するムクドリ=三重県四日市市
  • 鷹匠の岡村憲一さん
  • 三重県四日市市役所横のクスノキの街路樹。最近まで多くのムクドリがねぐらとしてきた
  • タカを放つ鷹匠。ある程度、勢いをつけタカの意欲を高めるという=三重県四日市市
  • 放鷹作戦で使われている1歳でメスの「真」。この日も大活躍だった=三重県四日市市
  • 薄暮の中、市街地の空に群がるムクドリ。騒音やふん害の苦情が市役所に相次いだ=三重県四日市市
  • 放鷹作戦でムクドリを追い払い、悠々と飛翔するタカ=三重県四日市市