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【風・学校の頭髪指導(1)】「荒れた学校の教壇に立ってから言いなさい」元教諭からの手紙 「染髪禁止」儒教の倫理観も

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「荒れた学校の教壇に立ってから言いなさい」元教諭からの手紙 「染髪禁止」儒教の倫理観も

風・学校の頭髪指導(1)更新
学校の頭髪指導 1/1枚

 大阪で問題となった頭髪黒染め強要訴訟問題でクローズアップされた「地毛登録」。関西の学校現場ではどの程度導入されているのか、こんな疑問から取材を始めたが、読者から寄せられたさまざまな意見の中で、特に気になったものがある。

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 《荒れた学校の教壇に1年でも立ってから言ってください》。公立中学校で長年教諭を務めた大阪府内の女性(70)から届いた、こんな“お叱り”の手紙だ。女性は《生活指導の中でも難しいものの一つ》としたうえで、《親も子も「地毛」と言ってくる場合にも、明らかにおかしいと思われるものがかなりあった》と、自らの経験も明かしてくれた。

 その上で、なぜ茶髪がダメなのかにも踏み込む。《教師は生徒の生活態度や家庭のあり方なども含めて総合的に判断して指導しています。(中略)「孝経」には「身体髪膚(はっぷ)これを父母に受く。あえて毀傷(きしょう)せざるは孝の始めなり」と書かれているが、今は通用しなくなったのでしょうか」》

 女性が言及した「孝経」とは古代中国の書物で、儒教の経典の一つ。言葉は「人の身体は親からもらったものであるから、傷つけないのが孝行の始めである」との意味で、「傷つけない」とは、肌に入れ墨などをしないということを指している。

 これを現在の学校現場に置き換えれば、染髪やピアスなどをしない、ということになるだろう。そういえば、41歳になる私も学生時代、父から「入れ墨を入れたり、金髪にしたら勘当するからな」と言われたことがある。

 そのせいというわけでもないが、大学生の時に少し茶色く髪を染めたことはあったが、結局、金髪にしたりすることはなかった。

 少数の例外を除き、日本の学校で当たり前のルールとして定着している「染髪禁止」だが、女性が指摘したような儒教的な倫理観が日本社会に根強くあることが、要因の一つといえるのかもしれない。

 今回寄せられた声のように、就職・進学のためや秩序を守るためなどさまざまな理由があると思う。さらにみなさんの考えをお聞かせください。   (原)

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地毛登録「仕方ない」「人権侵害」賛否割れる

 学校現場の頭髪指導をめぐり意見を募集したところ、読者からさまざまな声が届いた。染髪禁止には「社会が見た目を気にする以上、仕方ない」などの指摘があった。生まれつき髪が茶色い生徒らに学校側が申告を求める「地毛登録」については「やむを得ない」「人権侵害」など賛否が割れた。

 産経新聞が近畿2府4県の公立高校に取材した結果、回答を得た約400校のうち約7割で、口頭や書面による「地毛登録」が実施されていることなどが判明。読者から意見を手紙やメールで募った。

 校則などで髪を茶色や金色に染めるのを禁止している学校が多いことについては、「会社の面接で茶髪と黒髪(の生徒)が来ても、きちんと人物で評価できるか」(大阪府内の定時制高校に勤務する30代男性)と、社会の要請があるという指摘が寄せられた。