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生徒の髪は「黒」でないといけないのか-地毛登録7割、学校現場で徹底される頭髪指導に賛否「人権の観点で問題」「マニュアルの側面も」

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生徒の髪は「黒」でないといけないのか-地毛登録7割、学校現場で徹底される頭髪指導に賛否「人権の観点で問題」「マニュアルの側面も」

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各校から寄せられた主な回答 1/2枚

 産経新聞が近畿2府4県の公立高校に行った調査では約7割もの高校が地毛が茶色い生徒らに書面や口頭で申告を求める「地毛登録」を導入し、徹底した頭髪指導が学校現場で行われている実態が明らかになった。学内の規律を守る上で頭髪指導は欠かせないという「本音」も見え隠れする一方で、生徒の人権を無視した行きすぎた指導だとの声も専門家らからは漏れる。生徒の髪は「黒」でなければならないのか-。賛否は割れる。

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地毛茶色なのに「黒染め」強要された女生徒、頭皮ボロボロに

 今年10月、大阪府立高校の3年の女子生徒(18)が生来の茶髪を黒に染めるよう強要されたとして、府に対し損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。生徒側によると、生まれつき色素が薄く、母親は学校側に配慮を求めたが「その髪の色では登校させられない」と言われ続け、黒への染髪を繰り返させられたという。

 「色が落ちてきた」「不十分」。指導は4日に1度のペースで行われ、薬剤の影響で女子生徒の頭皮はボロボロに。生徒は過呼吸となり、昨年9月から登校できなくなった。学校側はペナルティーを理由に学校行事への参加を禁止し、3年からはクラスに机も置かれなくなったとしている。

 これに対し、府教育庁は机の件は不適切と認めながらも「(同校は)生まれつきの髪の色になっていないと判断し、指導した」とし争う姿勢を示している。

「生活の乱れが髪の色に表れる」の考え根強く

 産経新聞の今回の調査では、この学校の染髪強要が本当ならば、行きすぎだとする意見が大半を占め、各校の担当者は「(自分の学校では)生まれ持った髪はいじらずそのままにしている」「地毛が茶色なのに黒に染めさせることはない」と口をそろえる。

 ただ、程度の差はあれ、多くの学校で頭髪指導の徹底ぶりが垣間見える。地毛登録の手法を取るのは約7割に達し、茶色や金色に染めた生徒らへは「染め直すか、髪を傷めるならば黒い部分が生えるのを待って切るように指導する」とした学校は少なくない。

 背景には、社会の茶髪への抵抗感があるとみられ、大阪府内の高校の生徒指導担当者は「卒業後の進路が就職の生徒が多く、企業や社会からどう見られるかを普段から意識させるために厳しくしている」と明かす。また、「生まれ持った姿であるべきだ」との意見も多く、中には「生活の乱れが(茶色や金色に染めた)髪の色に表れる」などとし、学内の規律維持には頭髪指導の徹底が欠かせないと本音を漏らす担当者もいた。

専門家の意見、さまざま

 これに対し、専門家もさまざまな意見を示している。教育評論家の尾木直樹・法政大特任教授は、地毛登録制度に反対の立場で「生徒の身体的特徴や遺伝に関する情報を収集するもので、プライバシー保護の観点で問題があり廃止すべきだ」と批判する。

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