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「地毛登録」7割、書面提出も3割弱-近畿2府4県公立校本紙調査 トラブル回避で“茶髪・染髪の線引き”普及も「過剰指導」の声も

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「地毛登録」7割、書面提出も3割弱-近畿2府4県公立校本紙調査 トラブル回避で“茶髪・染髪の線引き”普及も「過剰指導」の声も

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地毛が茶色などの生徒に対する公立高校の頭髪指導について 1/1枚

 生徒の頭髪指導をめぐり近畿2府4県の7割の公立高校が生まれつき髪が茶色の生徒に書面や口頭で申告を求める、いわゆる「地毛登録」を導入していることが24日、産経新聞の取材で分かった。うち書面提出は3割弱を占める。染髪する生徒らとの線引きを明確にするトラブル回避のためとみられ、多くの学校が規律維持に苦悩している実態も浮かぶ。一方、登録ありきの行きすぎた指導に発展する恐れもある。大阪では府教育庁が実態調査に乗り出すなどしている。

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大阪では訴訟 「地毛登録」20~30年前から広がる

 頭髪をめぐっては、大阪府立高校3年の女子生徒(18)が生まれつき茶色い髪を黒に染めるよう強要されたと主張して訴訟を起こし、物議を醸した。産経新聞は、この学校以外の近畿2府4県の公立高校467校(定時制や高専などを除く)に聞き取りやファクスで登録の有無などを調査。これまでに全体の85%に当たる396校から回答を得た。

 回答拒否・無回答は全体で15%。このうち大阪では「訴訟にかかわる」「府教育庁が調査している」などの理由が多かった。

 産経新聞の調査では、入学時の説明会などで呼びかけて生まれつきの髪の色について記載した書類の提出を生徒や保護者に求めている学校は、大阪18%▽兵庫16%▽京都53%▽滋賀39%▽奈良21%▽和歌山50%-に上った。

 また、書面までは求めないものの、生徒からの申告で情報を把握し、学内で共有しているなどとした学校を合わせた割合は、大阪57%▽兵庫76%▽京都72%▽滋賀71%▽奈良97%▽和歌山94%-に達することが判明した。

 「登録」させる理由としては、「人権上の配慮」や「無用なトラブルを避けるため」とする回答が大半を占め、該当する生徒は「1クラス数人~十数人」が多かった。導入時期は不明とする学校が目立ったが、手軽な薬剤が普及し染髪する生徒らが目立ち始めた20~30年ほど前から広がったとみられる。

「申告ありき」杓子定規的対応に懸念も

 染髪と地毛との線引きを明確にし、染髪した生徒への指導を徹底する目的があるとされるものの、「申告ありきの杓子(しゃくし)定規的な対応は、行きすぎた指導などを生む」との懸念を示す教育関係者もいる。

 大阪府教育庁も各校が校則などに基づき実施している頭髪指導の実態把握に乗り出しており、近く調査結果などを公表する方針。