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【経済裏読み】「韓国経済は高品質」IMFが賛辞 それでも消えない世界トップ10脱落の不安

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「韓国経済は高品質」IMFが賛辞 それでも消えない世界トップ10脱落の不安

経済裏読み更新
韓国のウォン紙幣。同国経済は通貨危機からは立ち直ったが、新たな悩みを抱えている(ロイター) 1/1枚

 立派な経済国家に育ったものだ-。国際通貨基金(IMF)が、かつてスパルタ教育を施した韓国に賛辞を贈った。しかし、実態をみれば手詰まり感が漂う。国内の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備に対する中国からの報復と、緊迫する北朝鮮情勢で息苦しさが増す中、安定を目指した規制の副作用が懸念され始めた。南北統一で「新たな成長力」獲得を、との議論はあるものの、今のところは夢物語。頼みは輸出だが実入りは見かけほどよくないらしい。

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経済模範生

 韓国を窮地に陥れた通貨危機から20年。当時、緊縮財政や痛みを伴う構造改革を迫って「死神」とまで呼ばれた国際通貨基金(IMF)が、「韓国の経済成果は高品質だ」と持ち上げてみせた。

 9月11日に韓国記者団と懇談したラガルド専務理事の発言だ。中央日報(日本語電子版)は「IMFのトップが韓国を経済模範生と認めた」と表現した。

 ラガルド氏は今後の経済運営についてもアドバイス。「最低賃金の引き上げは消費を促進させ、内需を再生し、経済成長をもたらす」とし、社会保障充実などの積極財政も勧めた。

 ただ韓国は今、停滞の影におびえている。中央日報は、別の記事で英エコノミスト誌の調査部門の分析を伝えた。「2050年になると韓国の経済規模が世界10位圏から外れる」というものだ。

 同誌チーフエコノミストのサイモン・バプティスト氏は、「(韓国は)これから人口が減り、成長動力を期待するのが難しくなる」と指摘。33年後には国内総生産(GDP)でインドネシア、メキシコに抜かれていると予測する。

 人口増はすぐに実現できるものではなく、代替策となるのが南北統一だ。「韓国が発展したやり方を北朝鮮にも導入すれば、長期的には(経済成長の)機会になるかもしれない」とバプティスト氏は指摘する。

 しかし、統一は困難どころか、短期的には非現実的でさえある。このため同氏は、海外直接投資の誘致拡大、規制緩和、租税改革で成長力維持を目指すべきだとした。

規制の副作用

 「成長停滞の泥沼に陥る」との表現で現在の経済政策に警鐘を鳴らすのは、中央日報が電子版に掲載した韓国経済新聞の記事だ。

 非正規社員の正社員化推進、法人税と最低賃金の引き上げといった文在寅政権の施策は「企業の経営費用を拡大する」と分析。「成長率を高めるには否定的(な政策)だ」とする有識者の見方を紹介した。

 中でも8月に導入された「8・2不動産対策」は短期的な副作用が強く懸念されている。国民の幅広い層がマイホームを持てるように、と住宅価格の高騰を防ぐために不動産への投機を制限する施策で、李明博政権、朴槿恵政権が緩和してきた規制を再び強化した。