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【車いすでみるなら(52)】奈良・天理でパラアート展

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奈良・天理でパラアート展

車いすでみるなら(52)更新
力強さに圧倒された「朱鷺」 1/2枚

 奈良県では9月から11月までの3カ月間、「第32回国民文化祭・なら2017」「第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会」および「奈良県大芸術祭」が開催されています。さまざまな会場でアート作品を鑑賞し、芸術の秋を満喫できます。

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 先日、書道作品が展示されていると知り訪れたのは、天理駅前から続くアーケード「天理本通り商店街」にある「ギャラリーおやさと」で開催されていた「カルガモパラアート展」。障がい者の表現活動をサポートする「カルガモ倶楽部」に所属する書家・川上美也子さんの書道作品をメインに、障害者アーティストの作品が展示されていました。

 ギャラリーに足を踏み入れた瞬間、目に飛び込んできたのは力強い書でした。

 脳性まひのため電動車いすで移動している川上さん。2度の脳梗塞も経験されたとのことですが、大きな書に臨むときは立ち上がり、左手で運筆します。その筆筋の力強さたるや!

 この日の展示で私が最も長くその前から動けなかったのは、「朱鷺」という書。豪快でありながら美しいこの二文字を見て、あまりの力強さに圧倒され目が離せなくなりました。川上さんにお話を伺うと、佐渡で会ったトキを思い出しながらこの作品を書いているとき、「トキが来てくれた」と感じたそうです。作品を見た方から「(この書には)トキがいるね」と言われ、感じたそれが伝わったことがうれしかったとのことでした。

 川上さんは、書く文字を睡眠時に夢で見ることもあるそうで、作品を作るというよりは夢で見たその形を再現しているのだと仰ったのがとても印象的でした。書いた文字には命があり、書き上げた文字は書き終えた瞬間から手を離れて自分のものではなくなる、とも。だから書き上げたあとに手を加えることはしないのだそうです。

 やわらかい印象の、かな文字の作品も展示されていました。どの作品にも川上さんのコメントが添えられています。作品そのものを見るだけでも伝わるものや感じるものがありますが、どんな思いで書かれたものかが分かると、より近づける気がしました。

     

 会場では書道を楽しめるワークショップが行われていて、サポートしていただきながら参加しました。大きな紙(全紙)に太い筆で文字を書くのは初めて。紙の上に座って書いたのですが、太い筆は持ち方を選びませんね。握って運筆することができ、とても気持ち良かったです。

 パラアート展は11月25・26日にも「天理市文化センター」で開催され、川上さんの書道作品も多く展示されます。私が書いた「あした」も展示してもらえることになりました。今からとても緊張しています。

(波子)

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  • ワークショップでは、私も「あした」と書かせてもらいました