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【スポーツの裏話】プロ野球で増える「リプレー検証」…誤審防止、運用には課題も

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プロ野球で増える「リプレー検証」…誤審防止、運用には課題も

スポーツの裏話更新
8月16日の対広島戦で、リプレー検証をめぐり抗議する阪神の金本知憲監督(左から2人目)=京セラドーム大阪(鳥越瑞絵撮影) 1/1枚

 今季のプロ野球では本塁のクロスプレーなどをめぐって、リプレー検証(ビデオ判定)が実施されるケースが増えている。7月のオーナー会議では、日本野球機構(NPB)が来季に向けて対象範囲が拡大を検討していることも報告された。米大リーグではチーム側が判定に異議を申し立てる「チャレンジ制度」があり、日本球界も新制度の導入に向けた議論が進められている。(丸山和郎)

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 日本球界で今季リプレー検証が実施されているプレーは、(1)本塁打性の打球(2)本塁のクロスプレー(3)併殺防止を狙った危険なスライディング-の3つ。映像を確認するかどうかはチーム側の申し立てではなく、審判員の判断となる。来季以降は本塁以外のアウト、セーフの判定にも拡大することが検討されている。

 一方、米国のチャレンジ制度はチーム側がアピールできるのが特徴で、ストライク、ボールの判定以外のほぼすべてのプレーが対象だ。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも、準決勝の日本-米国戦では1試合で5度もビデオ判定が行われ、度重なる中断に観客席からブーイングも起こった。NPBの井原敦事務局長は新制度について「(現在の)リプレー検証を発展させたイメージ。チーム側の要求を取り入れるかどうかも検討している」と話し、米国の制度が1つのモデルになることを示唆している。

 リプレー検証は誤審を防ぐのが最大の目的。だが、審判員の技術力向上の観点から否定的な意見も多い。在阪の審判員の1人は「映像に頼らずに正しいジャッジをしなければならない場面も多い」と力を込める。

 また、8月16日の阪神-広島戦(京セラドーム大阪)では左翼フェンスを直撃した打球をめぐってもリプレー検証が行われ、阪神の金本監督が「(本塁打ではない)フェア、ファウルの判定でも検証があるのか」との趣旨で抗議する場面もあった。まだ、現場でも十分に制度の理解が進んでいるとはいえない。

 現在は12球団の本拠地球場でテレビ中継の映像を利用しながら検証を実施しているが、日本は地方球場での開催も多く、映像設備で米国とは大きな差がある。映像を利用して誤審を防ぐのが時代の流れではあるが、「日本版チャレンジ制度」の導入に向けては、まだまだ課題も多い。

 米大リーグのチャレンジ制度 2014年シーズンから導入。リプレー検証用のスタジオをニューヨークに設置し、全30球場の映像を一括管理。各球場の審判員と連絡を取り合いながら判定している。各チームの監督は試合開始から七回までに1回、八回から試合終了までに2回、ビデオ判定を要求する権利が与えられている。