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【経済裏読み】中国人「運び屋」のおかげで韓国免税店が売上げ増 訪韓外国人客減の中での怪現象なのだが…

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中国人「運び屋」のおかげで韓国免税店が売上げ増 訪韓外国人客減の中での怪現象なのだが…

経済裏読み更新
関西国際空港の第1ターミナルビルのロッテ免税店。韓国の業界最大手もTHAAD禍で赤字を記録したという 1/1枚

 米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備に対する中国の報復で訪韓中国人客が激減し、免税店業界が苦境に立たされている中、業界最大手のロッテ免税店までが4-6月期に赤字を記録したという。ただ、免税店の売上高自体は伸びるという不思議な現象が起きている。韓国の一部メディアはこの怪現象を、中国人の「運び屋」による購入が急増したためと分析する。中国人の団体観光客が途絶えてから、運び屋が韓国の免税店で大量に免税品を買い込んでいるという見立てだ。やはり韓国は中国依存から抜け出せないのかもしれない。

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最大手ロッテ免税店が赤字に

 韓国金融監督院の電子公示によると、ロッテ免税店は今年4-6月期に298億ウォン(約29億円)の営業損失を記録した。赤字になったわけだ。昨年同期の営業利益は909億ウォンだった。上半期の売上高も2兆5530億ウォンで昨年に比べ6.6%減った。韓国紙、中央日報(日本語電子版)が報じた。

 ロッテ免税店側はTHAADの影響と業界の競争激化、仁川国際空港の賃貸料の引き上げなどを実績悪化の要因に挙げている。同紙の取材に対し、ロッテ免税店関係者は「中東呼吸器症候群(MERS)事態で観光客が急減した2015年も、分期赤字は記録しなかった」とし、「2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)事態当時に赤字を記録して以来14年ぶり」と説明している。

 業界2位の新羅免税店は分期の赤字は避けたが、4-6月期の売上高と営業利益はそれぞれ昨年同期対比8%と47%減少。こうした実績の悪化から見ても、困難に置かれている状況はロッテ免税店と同じだ。

 韓国国内の免税店を訪れる外国人客が激減するなど免税店事業をめぐる環境は深刻で、ロッテ免税店はタイ・バンコクに市中免税店を今年オープンし、ターゲットを外に向けた。新羅免税店も訪韓日本人客確保のため「新羅インターネット免税店日本モール」のウエブサイトとモバイルアプリを開設したのだが、果たして効果のほどは…。

中国人の「運び屋」は韓国にとって有益なのか

 その一方で、韓国紙、朝鮮日報や聯合ニュース(いずれも日本語電子版)などによると、中国人を中心に韓国を訪れる外国人客は減少しているものの、免税店の売上高が伸びるという怪現象が起きているという。

 韓国免税店協会のまとめでは、7月の韓国の免税店における外国人客は105万9565人で、前年同期を45%下回った。だが、外国人に対する売上高は6億9371万ウォン(約6740万円)で前年同月に比べ9%増加していたのだ。

 聯合ニュースは、売上高と外国人客数にこのような乖離(かいり)が生まれたのは、中国人の「運び屋」による購入が急増したためと分析。中国人の団体観光客が途絶えてから、運び屋が韓国の免税店で大量に免税品を買い込んでいるというのである。