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ゲームや遊び通じ「助け合い」学ぶ…災害時にどう行動するか「共助」の視点も重視

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ゲームや遊び通じ「助け合い」学ぶ…災害時にどう行動するか「共助」の視点も重視

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明石高専防災団が作成したすごろく型防災ゲーム「RESQ」 1/2枚

 災害が起きた際に、どのように行動すべきか-。こうした知識の浸透が進まない中で、ゲームや遊びなどを活用した防災に関する教材を取り入れる動きが出ている。阪神大震災(平成7年)といった実際の被災者らの声を生かし、自らの命を守る術のほか、周囲と助け合う「共助」の視点を重視したものも目立つ。1日は防災の日。関係者は「自主的に防災を考える契機にしてほしい」と願っている。(杉侑里香)

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 明石工業高等専門学校(兵庫県明石市)では昨年、民間資格の「防災士」を取得した生徒が中心となり、すごろく型防災ゲーム「RESQ」を作成した。AEDなどの防災グッズを入手・活用しながら、人命救助や消火活動など災害時に想定される助け合いのミッションをこなすことで得られる「防災ポイント」の数を競うゲームだ。

 2年前に開発した別のゲームでは避難所へたどりつくことをゴールに設定。しかし、阪神大震災の被災者らから体験を聞く中で、自分だけが助かるのではなく周囲との助け合いが大切だと認識し、改良に取り組んだという。

 4年生の渡部桂太朗さん(19)は「ゲームを楽しみながら被災者の経験や知恵、共助の意識を広めていきたい」と話す。

 こうしたゲーム形式の防災教材は広がりを見せている。主体は自治体や教育機関が多いが、民間企業が開発に携わるケースもある。

 災害対策のコンサルティングを手がける国土防災技術(東京)は、ロールプレイ(役割演技)型の防災教材「EVAG(イーバッグ)」を作成し27年から販売している。

 高齢者、ペットがいる人、感染症患者…。20パターン以上の被災者を想定した「属性カード」を用意、参加者はその人になりきって刻一刻と状況が変化する豪雨災害などを想定したシナリオで、避難や地域の助け合いについて考える。

 担当者は「自分以外の人の立場で考え、課題に気づくきっかけとなれば」と話している。

 防災ゲームの先駆けは阪神大震災で支援にあたった神戸市職員らへの聞き取りを基に製作されたシミュレーション型教材「クロスロード」とされる。

 「人数分がない食料を被災者に配るか」など決まった正解のない“災害時のジレンマ”についてグループで考え、災害対応を学ぶ取り組みだ。

 防災教育普及協会の宮崎賢哉事務局長は「主体的に考えたり動いたりする力を養う仕掛けに注目が集まっている」と分析。その上で「一つの教材だけでなく想定する災害や場面に応じ、効果的に使い分け活用できる防災教育の担い手が増えることが求められる」と指摘している。

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