PR

【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】金本監督続投より急務! 藤浪&高山の再生プラン、球団総力で策定&実行せよ

PR

阪神の金本知憲監督=甲子園球場(吉澤良太撮影) 
阪神の金本知憲監督=甲子園球場(吉澤良太撮影) 

 阪神球団が総力をあげて取り組むべき問題は藤浪&高山の再生プランです!! 阪神の坂井信也オーナー(69)はシーズン途中の7月14日、金本知憲監督(49)に続投要請を行いました。阪神本社や球団首脳は今季終了後に2年契約が切れる金本監督に来季以降も指揮を委ねる方針に揺らぎはありません。しかし、藤浪&高山の2人が現状の成績では誰が監督であっても、来季以降の見通しは暗いままです。球団と現場が一体となった再生プランこそが急務であり、金本阪神を支える礎になるはずです。

■前半戦終了あわせ坂井オーナーが続投要請…ただし

 シーズン途中の異例の続投要請でしたね。球宴休みの7月14日、坂井オーナーは甲子園球場隣の球団事務所を訪れ、金本監督と約1時間、会談しました。前半戦の戦いを振り返り、後半戦への激励を行っただけではなく「来シーズンのことをお願い致しました」と来季続投を要請したことを明らかにしました。

 「こっちは意気に感じてやるだけです」

 金本監督はオーナーの続投要請に対して前向きな姿勢を示しました。同席した四藤球団社長は具体的な契約内容には触れていないことを明らかにした上で「これから話し合っていきます」と語ったのです。

 そもそも2015年のシーズンオフ、和田豊前監督の退任を受けて、監督就任要請を行った際に阪神側は最低でも5年の長期契約を望みました。2005年以来、リーグ優勝に届かない状況を踏まえて、「外部の大物選手を補強してチーム造りを行うのではなく、自前の若手選手を育てて骨太のチームにしたい」という新たな方針を打ち出しました。そうした構想の中で金本監督にチーム造りを託したのです。

 育てながら勝つ-という難しいテーマを掲げたわけで、球団側は「時間がかかるのは当然。長期契約をお願いしたい」と持ちかけたのですが、金本監督自身が2年契約を希望したのです。契約期間は単純2年で、今季終了後に契約が切れる状況でした。

 シーズンの前半戦終了のタイミングで坂井オーナーが続投要請を行ったのは「(前半戦は)評価している。一生懸命やってもらっている。非常にしっかりと戦ってくれていると思う」と金本監督の手腕を評価したからこそです。ただし、一方では後半戦に負けが込み、雑音が噴出する前に“先手を打って”監督問題を封印したい…という願望も込められているのでしょう。それは坂井オーナー自身が「(続投要請しなければ)何となしにウニャウニャするから…」という言葉に全て表れていると思いますね。

 こうした一連の動きを見ながら、首をかしげる点があります。確かに前半戦を終えた段階で43勝36敗の2位は大健闘といえるでしょう。坂井オーナーが続投要請を行ったのも理解はします。

 しかし、このコラムでは以前にも触れましたが、最大テーマの「若手育成」という部分については本当に「評価している」で済ませていいのでしょうか? 若手選手を次々と起用し、テーマに沿った采配は見せていますが、肝心要の2人の現状はどうなのでしょうか。それが投手では藤浪晋太郎投手であり、打者では高山俊外野手なのです。あまりにも評価できない、厳しい現状が横たわりますね。

 藤浪は4月4日のヤクルト戦(京セラ)で畠山の頭部付近へのボールで死球を与えて大乱闘に。5月26日のDeNA戦(甲子園)では六回途中6安打4四球の3失点で3敗目。この時点でリーグワーストの36四死球でした。プロ5年目で初めて2軍落ち。ところが、2軍でも制球難は解消されず、7月2日のウエスタン・リーグの中日戦では五回無死一塁で石垣に投じた直球がすっぽ抜けて頭部を直撃。危険球で降板すると、ミニキャンプに突入しましたね。

 その後は2軍でも登板機会すらなく、掛布2軍監督は「登板日は本人から言ってきてほしい」と話していました。つまり右打者の懐を突ける直球が投げられると本人が判断した段階で自己申告してほしい…という意味でもあるでしょう。

 ある球団関係者はため息まじりにこう明かしました。

 「藤浪については、1軍はもうアテにしていない…というか、2軍に任せっきりでしょう。実際ペナントレースを戦う上での戦力としては計算していないはずですね。体はどこも故障していないのに、あの藤浪がこんな状況というのは思ってもいない事態です」

■「藤浪をアテにしてない」の声…そして高山への期待も…

 藤浪ほど深刻ではないかもしれませんが、打者でいえば高山の現状も首をひねるばかりです。チームが82試合を消化した時点で高山は78試合に出場し、打率・2635、本塁打5本、打点20なのです。試合前には金本監督ら首脳陣から打撃指導を受けていますが、サッパリ結果は出ていませんね。後半戦に入り、スタメン落ちの試合も増えてきました。糸井、糸原が故障で長期離脱という緊急事態なのに、なぜか?首脳陣から高山に期待する声をあまり聞かれません。

 「高山の打撃は完全に崩れています。大学時代に持っていたタイミングの取り方やボールの捕え方が崩れてしまい、今は自分でもどうしていいか分からないのでは…。要は教えられている内容と本人の感覚が合わないのでしょう」とはチーム関係者の声です。

 藤浪と高山はそれぞれアマ時代に脚光を浴びた選手です。ドラフト会議では他球団との競合の末に、交渉権をクジ引きで獲得した選手です。球団としてはどうしても育てなければならない選手です。いや、投打の主軸に育てないと球団としての姿勢すら問われますね。その2人の現状はどう考えても辛いです。確かに2人の考え方、練習方法などに問題もあるのかもしれません。しかし、球団や現場首脳陣がうまく導き切れていないのは紛れもない事実でしょう。

 坂井オーナーは金本監督の手腕を評価して続投要請を行いました。何度も書きますが、これには一定の理解はします。なぜなら監督をコロコロと代えても、チームが劇的に強くなるとは思えないからです。しかし、藤浪と高山に関する現状認識と今後の再生プランに関する具体的な取り組みが練られていないのであれば、これは大問題です。金本監督が来季も続投しようが、他の監督が代わりに指揮を執ろうが、阪神の来季や近い将来に光は差し込みません。

 早急に球団と現場が一体となった2人の再生プランが練られるべきですね。どうして故障もしていないのに藤浪は2軍のマウンドからも遠ざかっているのか。なぜ高山の打撃はここまで崩れたのか。メンタル面を含めた分析が急がれます。そして、ダメな部分は組織的に矯正すべきです。そこを放っておいて、金本監督が3年目のシーズンに臨んでも結果は目に見えています。

 糸井や糸原の故障などでチームは窮地です。でもよく考えてみてください。藤浪と高山が投打でしっかり頑張っていれば何も怖くなかったはずです。2人の再生は来季以降にもつながる重大案件です。  =続く(毎週日曜に掲載)

植村徹也(うえむら・てつや) 植村徹也(うえむら・てつや)  1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の月~金曜日午後9時からの「NEWS TONIGHT いいおとな」、土曜日午後6時半からの「ニュース・ハイブリッド」に出演中。「サンスポ・コースNAVI!」ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

この記事を共有する

おすすめ情報