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【関西の議論】ゴキブリは素揚げ、カメムシはパクチーの香り…「昆虫食」の“奥深い世界”、新たにシルク醤油も

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ゴキブリは素揚げ、カメムシはパクチーの香り…「昆虫食」の“奥深い世界”、新たにシルク醤油も

関西の議論更新
「昆虫食」を知ってもらうイベントで試食する子供たち。昆虫食は広まるか=2016年8月、兵庫県伊丹市 2/2枚

 醤油(しょうゆ)醸造の発祥の地として日本遺産に認定された和歌山県湯浅町で、蚕の繭を発酵させて作る醤油風調味料「シルク醤油」の試作が進んでいる。来年の販売に向けて、8月にはインターネット経由で資金を募るクラウドファンディングを開始する。和歌山県では2年前、イナゴを使った醤油のような味わいの昆虫発酵調味料「イナゴソース」も誕生。独自のタンパク源として「昆虫食」の普及に取り組む人たちが試行錯誤を続けている。(山田淳史)

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大豆の代わりに

 シルク醤油は、イナゴソース開発にも関わった「湯浅醤油」(湯浅町)の新古敏朗社長と、大阪府岬町と和歌山市に事務所を置く「昆虫エネルギー研究所」の佐藤裕一代表らが発案。大豆の代わりに蚕の繭を使用し、麹や塩も入れて発酵させて作る。

 昨年1月から試作を繰り返し、新古社長は「初めて味見したときは、何でこんなに甘いのかと驚いた。大豆や小麦からくる味わいとは違った」と話す。

 ただ、販売できるだけの量を醸造するには多額の材料費が必要となる。高級な繭を購入する場合、1キロ10万円以上もかかるからだ。

 そこでクラウドファンディングで資金を募ることにした。期間は8月1日から9月10日ごろまでを予定し、目標額に達した場合、一定額以上を出資した人にシルク醤油をプレゼントすること考えているという。

 また佐藤代表は、8月5日に東大阪大学短期大学部(大阪府東大阪市)でシルク醤油の試飲会を予定するなど、各地での試飲会の開催も検討。一人でも多く出資者を増やしたい意向だ。

 佐藤代表は「寿司(すし)だって、生ものを嫌うアメリカ人のことを考え、ネタをアボカドにするなどしてカリフォルニアロールを作った。それが結局、寿司文化の普及につながったのだと思う。シルク醤油が『昆虫食のカリフォルニアロール』のような存在になれば」と期待。新古社長は「シルクロードにちなみ、ヨーロッパの高級レストランなど海外に売り込みたい」と話す。

ゴキブリやカナブンも揚げて食す

 昆虫エネルギー研究所を平成23年に設立し、昆虫食の普及を目指す佐藤代表。昆虫食体験は約20年前にさかのぼる。旅行先のタイ東北部やラオスが昆虫をよく食べる地域だったため、「昆虫を味わうことが普通になった」という。

 昆虫を食べずに穀物や魚、肉などを食べる習慣は「食の欧米化」と断じ、研究所では毎年、兵庫県伊丹市で、一般の人が参加できる「関西虫食いフェスティバル」を主催。動画サイトでもその様子を紹介している。

 「すっげえ、カナブンやっ。ほんまに衣がついてない」。動画では、参加した男性が驚きながらカナブンの素揚げをおいしそうに食べる様子が映っていた。

写真ギャラリー

  • 蚕の繭を使って作った「シルク醤油」と、開発した「昆虫エネルギー研究所」の佐藤裕一代表=大阪府岬町