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社員の絆強まる「ビジネス合宿」人気 生産性高め、非日常で連帯感も…「自分と対話できる」

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社員の絆強まる「ビジネス合宿」人気 生産性高め、非日常で連帯感も…「自分と対話できる」

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森林でリラックスした状態になり、セラピーを受ける合宿参加者=1月、宮崎県日南市の猪八重渓谷(同市提供) 1/3枚

 部活動のように宿泊施設に泊まり込み、商品開発などに打ち込む「ビジネス合宿」を取り入れる企業が増えている。非日常の環境下で生産性が高まるとして、山や海などの雄大な自然の中で仕事に励むプランが人気という。企業間の交流や癒やしの場に活用する動きもある。合宿を企業誘致の第一歩と位置づけ、宿泊費を補助するなど自治体側も積極的な誘致に乗り出している。(細田裕也)

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非日常空間で仕事に

 目の前に大阪湾が広がる大阪府阪南市尾崎町の「尾崎の家」で20日昼、会社経営者や作家志望のOLらによる1泊2日の“異業種合宿”が始まった。

 参加したのは7人。ホームページの作成や原稿の執筆、今後の会社経営方針の立案…。テーブルを囲みながら、パソコンに向かうなどして、それぞれの課題に黙々と向き合い、夜はテラスでのバーベキューで盛り上がった。

 参加者の大半は、ホテルに缶詰めになって仕事に集中しようとした経験を持つが、1人では集中力が続かず、テレビなどの誘惑に負けてしまっていたという。

 ヨガインストラクター派遣事業を手がける「UK MOVE」(同府門真市)の青貝(あおがい)夕子代表(33)は「会社の経営方針について他の人のアドバイスを聞きたかったので、こういう機会はありがたい」と話した。

 尾崎の家は、大阪市中央区の貸しオフィス業「カエル」が運営するビジネス合宿専用の一軒家。元々は大崎弘子社長(40)の実家で平成26年秋にオープンした。年間約30件の利用があり、施設にはWi-Fiやプロジェクターなどを完備。最大8人が宿泊でき、料金は何人泊まっても1泊2万5千円だ。大崎社長は「非日常的な空間で仕事のことを考える時間は重要。その後の売り上げにも直結するケースもある」と話していた。

関東では盛ん

 IT企業が集まる関東では「開発合宿」と称したエンジニアらによる合宿が盛んという。施設の多くは、自然に恵まれた場所に立地。仕事面だけでなく、疲れた体を温泉で癒やしたり、仲間の親睦を深めたりできるとして人気だ。

 日光東照宮に近く、6年に開業した「ペンションはじめのいっぽ」(栃木県日光市)は17年からIT企業の合宿を受け入れるようになり、現在は年間で約15社が訪れている。オーナーの波多江定夫さん(68)は「作業が落ち着けば自然の中を散歩するなどして楽しまれている」と話す。

写真ギャラリー

  • ビジネス合宿でテーブルを囲む参加者=大阪府阪南市
  • 尾崎の家のビジネス合宿では、畳の上で作業することもできる=大阪府阪南市