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【逃亡45年・中核派活動家逮捕】2LDKの室内に捜査員が踏み込んだとき、男は呆然と立ち尽くしていた…白髪に眼鏡、残る面影 長期逃亡の全貌解明へ

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2LDKの室内に捜査員が踏み込んだとき、男は呆然と立ち尽くしていた…白髪に眼鏡、残る面影 長期逃亡の全貌解明へ

逃亡45年・中核派活動家逮捕更新
大坂正明容疑者(警察庁提供) 1/1枚

 昭和46年11月の渋谷暴動事件から45年以上、行方がつかめなかった中核派の活動家、大坂正明容疑者(67)とみられる男が逮捕された。白髪で眼鏡をかけた男-。しかし、顔には、手配写真にある大坂容疑者の若い頃の面影が残されていた。

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 指名手配した警視庁公安部が追跡し続け、一時は都内で足取りを確認したが、大阪府警が男を確保したのは東京から600キロ以上離れた広島市。殺人容疑の時効は撤廃されており、警察当局は本格捜査へ向けて本人確認を急ぐ。

 ▽立ち尽くす2人

 18日午前8時半ごろ、広島市中心部から離れた安佐南区の閑静な住宅街。5階建てマンションにある中核派の非公然アジトに、府警の捜査員が踏み込んだ。住民は「警察官が20人近くいて『おとなしくしろ』と大声を上げていた」と話す。

 捜査関係者によると、2LDKの室内に男2人が立ち尽くしていた。1人は有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕状を取っていた非公然活動家の鈴木哲也容疑者(52)。もう1人が大坂容疑者とみられる男だった。

 男は水溶性の書類の処分を試み、捜査員に体当たりしたとして公務執行妨害容疑で現行犯逮捕されると「貝のように黙り込んでいる」(捜査関係者)。

 ▽時効撤廃

 46年11月14日、沖縄返還協定に反発して暴徒化した学生らが、東京・渋谷で機動隊員に火炎瓶を投げ付け、新潟県警から派遣された同世代でもある中村恒雄巡査=当時(21)=の命を奪った。

 当時、殺人罪の公訴時効は15年だったが、大坂容疑者の時効は共犯者が起訴され停止。平成22年、改正刑事訴訟法が施行されて殺人罪の時効は撤廃された。

 捜査が前進したのは24年。警視庁公安部は東京都立川市の非公然アジトを捜索し、暗号文書を解読した結果、大坂容疑者が別のアジトでかくまわれていたことや、病院で診察を受けさせる計画が判明した。「ずっと生死不明で、死んでいると思った。まさか、という思いとともに希望が見えた」。捜査幹部は振り返る。

 警察庁は昨年11月、最高300万円の公的懸賞金(捜査特別報奨金)制度の適用に踏み切った。公安事件としては異例だが、捜査網を狭める狙いで情報提供を呼び掛ける中での逮捕だった。

 ▽特定に時間も

 府警は18日に男を逮捕し、親族らのDNA型と照合を進める。捜査関係者は「絶対に本人というにはもう一歩必要だ」と慎重な姿勢を崩さない。

 大坂容疑者には殺人のほかに凶器準備集合など五つの容疑が残っている。本人と確認できれば、警視庁は男を東京へ移送し、事件の真相解明を目指す方針だ。