産経WEST for mobile

【竹島を考える】今年の「竹島の日」は韓国のための「日」…日本で騒ぐ輩、「成功体験」で増長させていいのか 下條正男・拓殖大教授

記事詳細

今年の「竹島の日」は韓国のための「日」…日本で騒ぐ輩、「成功体験」で増長させていいのか 下條正男・拓殖大教授

竹島を考える更新
朴槿恵氏の大統領罷免を喜び、ソウル市内を行進する人たち。このパワーは何というか…=3月11日 1/1枚

島根の規模上回る韓国の「竹島の日」

 今年で第12回を迎えた島根県の「竹島の日」(2月22日)は、韓国側にとっては新たな対日攻勢に出る記念碑的な日となった。

<< 下に続く >>

 島根県は、「竹島の日」条例を制定するまで、独島(竹島)を管轄する韓国の慶尚北道とは姉妹自治体の関係にあった。その慶尚北道が今回初めて、ソウル市内の光化門(クァンファムン)広場で「竹島の日」を糾弾する大規模な抗議大会を開催したからである。

 当日は小雨降るあいにくの天気だったが、韓国側の報道では数千名が集まったという。この光化門広場は、朴槿恵(パク・クネ)大統領(当時)を弾劾するため、数万の人々が集った「ろうそく集会」の会場である。ここで「竹島の日」糾弾大会が開催されたのは、大会が全国的な行事に昇格したということである。

 事実、「竹島の日」を糾弾する大会は、欝陵島(うつりょうとう)でも開催され、韓国の各地では小規模な抗議集会も開かれた。その全体の規模は、島根県の「竹島の日」をはるかに凌(しの)いでいた。今年の「竹島の日」は、韓国のための「竹島の日」であった。

日韓関係を悪化させる原因

 毎年、「竹島の日」に抗議のため松江市を訪れる韓国の市民団体一行も、入国を拒否されずにやってきた。彼らの行動を報じた韓国の一部マスコミは「島根県では日本の右翼数千人に行く手を阻まれた」としているが、島根県の地元紙は、その数をせいぜい50~60人と報じた。

 このような状況を放置し続ければ、日韓関係を悪化させる原因が温存されるだけである。

 韓国側には、竹島の領有権を主張できる歴史的権原がない。その韓国側の市民団体が毎年2月、大阪の韓国領事館を訪れ、島根県に移動しては「竹島の日」条例の廃止を求めて騒ぎを起こしている。これと同じことを、日本人が韓国内でできるだろうか。

 韓国側では許されない行為が、日本ではできるとしたら、韓国の市民団体などはそれを「成功体験」と錯覚し、ますます増長していく。

事実の究明よりも大衆行動優先

 ソウルの日本大使館前に慰安婦像が設置され、毎週水曜日になると、日本に対する抗議集会が開かれてきた。抗議集会はやがて日本に反省と謝罪を求める運動となり、それは韓国系米国人の多い米国各地に広がって、慰安婦像が設置されるまでになった。

 しかし、これは韓国社会の歴史的な特性に基づく、必然の結果で、今回の「竹島の日」は、韓国側の民族的特性にスイッチが入った日でもあった。「竹島の日」の1週間ほど前の2月14日、文部科学省が次期学習指導要領の改定案を公表して竹島問題を記載していたからである。

 そして我々は最近も、朝鮮半島の歴史的現実を目撃したはずである。韓国では朴氏を弾劾裁判にかけて、罷免してしまった。憲法裁判所は、近くまで大衆に押しかけられ、その要求を貫徹させようとする集団の力に圧倒された。裁判官全員が大統領の罷免に賛成しなければ、弾劾に反対する裁判官には危害が及ぶ恐れがあるからだ。朴氏はその後、検察に収賄容疑などで逮捕された。