産経WEST for mobile

【関西の議論】国内産漬物1位「キムチ」が減少傾向、昨年生産量は18年前の水準に…普及促した「桃屋のキムチの素」発売から40年、背景に何が?

記事詳細

国内産漬物1位「キムチ」が減少傾向、昨年生産量は18年前の水準に…普及促した「桃屋のキムチの素」発売から40年、背景に何が?

関西の議論更新
1/5枚

 国内生産された漬物の中で、何が最も多いかご存じだろうか。実は浅漬やたくあん漬などではなく、朝鮮半島由来のキムチが平成11年から昨年まで18年連続でトップを続けている。ただ、生産量は14年に約38万6千トンと最高を記録したが、その後減少。昨年は、前年比6.8%減の約17万9千トンとなり、18年前の水準に落ち込んだ。キムチは日本の家庭に入り込み、スーパーの漬物売り場でも種類が多く目立っているが、日本人の嗜好(しこう)などに変化の兆しがあるのだろうか。(張英壽)

<< 下に続く >>

平成11年から首位維持、ピークは40万トン弱

 漬物の国内生産推計値を発表している一般社団法人「食品需給研究センター」(東京)によると、キムチ生産量は昭和60年に約4万7千トンだったが、徐々に伸び、平成3年には約8万5千トン、8年に10万トン超、10年に約18万トンとなり、11年に約24万9千トンと生産量トップに躍り出た。14年には最高の約38万6千トンに達したが、以降、減少傾向となり、22~27年は19万トン台で推移。昨年は一気に約17万9千トンにまで落ちた。昨年の数字は、生産量が浅漬に次いで2位だった10年とほぼ同じで、18年前の水準になった格好だ。

 一方、たくあん漬は昭和60年に約25万4千トンと漬物の品目の中で最も多かったが、昨年は5分の1以下の約4万6千トンにまで落ち込んだ。また、浅漬は62年から平成10年までトップの座を占め、この間20万~30万トン台で推移したものの、キムチに押され昨年は約13万トンになっている。梅干・梅漬は昭和60年~平成28年の32年間で2万~4万トン台、福神漬は同期間で5万~6万トン台だった。

 ただ、漬物の国内生産全体が大きく減少していおり、昨年は昭和60年の約104万4千トンからほぼ30%減の約71万8千トンとなった。キムチは生産量が減少したとはいえ、昨年の国内の漬物生産量で25%を占め、存在感は依然として大きい。

 キムチは国内生産のほかに、韓国からの輸入キムチが市場に出回っている。ただし、こちらも減少傾向で、韓国政府系の世界キムチ研究所がまとめた日本へのキムチ輸出量によると、2004(平成16)年に約3万2千トンだったが、その後2万トン台になり、2015(平成27)年と昨年は1万4千トン台だった。

大阪では“キムチ離れ”につながる声聞かれず

 減少傾向が著しい国内産のキムチ。日本人はキムチをどれくらい食べているのか。人々が行き交う大阪・ミナミ(大阪市中央区)で20~60代の男女に尋ねると、頻度の違いはあれ、すべての人が食べていた。

 「キムチは月1回くらい、スーパーで買って家で食べています。キムチをそのままでも食べるし、豚キムチにして使い切ります。たまに食べたくたりますよね」

 堺市中区の会社員の女性(23)はそう語る。小学生の頃からキムチは食卓にのぼっていたそうだ。

 「週1、2回、家でも外でも食べますね。カクテキ(ダイコンのキムチ)とか白菜キムチとか。お酒のアテ。辛いから合う」と話すのは、堺市堺区の会社員の男性(43)。「小学生の頃は食卓にはありませんでしたが、20歳くらいからこの頻度で食べています」

写真ギャラリー

  • さまざまな種類の商品が並ぶスーパーのキムチ売り場=堺市堺区の「ライフ堺駅前店」
  • さまざまな種類の商品が並ぶスーパーのキムチ売り場=堺市堺区の「ライフ堺駅前店」
  • 昭和51年に製作された「桃屋のキムチの素」CMの一場面(桃屋ホームページから)