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【ビジネスの裏側】大阪万博、関経連の本気度は…懐疑派?松本・住友電工社長が次期会長に

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大阪万博、関経連の本気度は…懐疑派?松本・住友電工社長が次期会長に

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 関西経済連合会の次期会長に、松本正義副会長(72)=住友電気工業社長=が内定した。5月で3期6年の任期を迎える森詳介会長(76)=関西電力相談役=の後任となる。過去4人の会長を輩出した「住友」ブランドを選ぶ人事は定石通り。だが、関経連が積極姿勢をみせる2025年国際博覧会(万博)誘致について、松本氏はこれまで懐疑的ともとれる発言をしている。方針の見直しはあるのか。(牛島要平)

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住友の看板

 「住友として400年間(大阪に)おらせてもらって、恩返しするチャンスを与えていただいた」。1月13日、大阪市内で開かれた記者会見で、松本氏は関経連会長内定についての感慨を語った。

 関経連会長のバトンを渡す森氏は「住友電工は大阪に軸足を置きながら事業をグローバルに展開し、関西経済が進む道に合致している」と松本氏指名の理由を説明した。

 住友家は江戸時代、大坂での銅精錬業から発展。銅線による自動車向けワイヤハーネス(組み電線)を主力とする住友電工は、多くの住友グループ企業が本社機能を東京に移す中、現在も大阪にとどまっている。16年3月期の連結売上高は2兆9330億円と、松本氏の社長就任時(04年)の約2倍になった。

 「松本さんは総合的に関西経済のリーダーとしてふさわしい」と森氏は評価する。だが、関電と住友電工の間には関経連会長の椅子をめぐる因縁がある。

そして電工が残った

 関経連の歴代会長のうち森氏までの13人中10人が東洋紡績(現東洋紡)、関電、住友金属工業(現新日鉄住金)の出身。1951年以降、ほぼこの3社が会長職を回してきた。

 住友電工のトップが会長に就いたのは94~97年。川上哲郎氏だったが、異例の人選と受け止められた。

 当時の関経連会長、宇野收氏(東洋紡績)の後任として最有力視されていたのは、関電会長の小林庄一郎氏だった。ところが、宇野氏は地域独占の公益企業である電力会社のトップが会長に就くことへの批判に配慮し、住友電工の川上氏を指名した。

 この人事は財界に大きな衝撃を与えた。川上氏は自身を支える副会長を有力企業トップから得られず、苦しい運営を迫られた。

 20年余りを経て、状況は大きく変わった。関電は電力小売りの全面自由化で、名目上は地域独占企業ではなくなった。一方、住友金属は新日本製鉄と統合して新日鉄住金となり、グループの集まり「白水会」を離脱。住友の一員で関西に本社機能を残す有力企業は住友電工のみとなっていた。

万博があるから大変だ

 だが、松本氏に対抗馬がいなかったわけではない。角和夫副会長(67)=阪急阪神ホールディングス社長=だ。万博誘致をめぐって角氏と松本氏は対照的な反応をみせた。

 角氏は機会あるごとに報道陣の前に姿をみせ、「会場整備で企業がコンソーシアム(共同事業体)を組むべきだ」などと発言。万博のテーマを議論する国の有識者検討会にも参加した。財界で「次の関経連会長は万博があるから大変だ」とささやかれる中、角氏の会長就任説は根強かった。

 一方の松本氏。昨年10月に大阪市内で開かれた関経連創立70周年記念パーティーで報道陣に対し、「(大阪府が示す)テーマが『健康・長寿』では人が集まるわけがない」と批判。関経連の月1回の定例記者会見には姿をみせなかった。

 次期会長内定を受けた今年1月13日の会見でも「(開催が)決まればやらないといけない。(テーマや費用負担の検討を)経団連などとオールジャパンでやらないといけない」とやや受け身だ。約400億円とも想定される民間の費用負担の枠組みについては「まだよく考えていない」とするにとどめた。

 政府は閣議決定を経て5月までに博覧会国際事務局(BIE)に立候補し、パリなどとの誘致競争に入る。同月に就任する次期関経連会長は、万博を関西経済の起爆剤と位置付けるのか、それとも別の道を探るのか早急に示す必要がある。

 「まず一人の人間として、何事に対しても誠心誠意尽くす人であれ」。昨年4月の住友電工入社式で松本氏は「住友事業精神」を訓示した。松本氏はこれから関経連会長として何を語るのか。

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