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【アイドル刺傷】冨田さん「やめさせてほしい」警察に相談したのに…ストーカー規制、SNS対象外 専門家「法改正を急ぐべきだ」

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冨田さん「やめさせてほしい」警察に相談したのに…ストーカー規制、SNS対象外 専門家「法改正を急ぐべきだ」

アイドル刺傷更新

 東京都小金井市で刺されて重体となった冨田真由さん(20)は事件前、ブログやツイッターへの執拗な書き込みに悩み、警視庁に「やめさせてほしい」と相談していた。だが、そうしたソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)への書き込みはストーカー規制法では取り締まりの対象外だ。専門家からは、通信技術の進歩に対応できない規制法の不備を指摘する声も出ている。

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 冨田さんのツイッターには1月18日以降、岩埼友宏容疑者(27)からとみられる書き込みが続いていた。当初は応援するような内容だったが、次第に「あなたに見下されたこと一生忘れない」「そのうち死ぬ」と過激さを増していった。

 冨田さんは5月9日に武蔵野署を訪れ「やめさせてほしい」と相談。同署は「書き込んだのが本人か調査が必要」と岩埼容疑者に接触せず、「すぐに危害を加えるような書き込みではない」として、ストーカー事案などを担当する部署に情報を伝えなかった。

 兵庫県弁護士会の長谷川京子弁護士は「一方的な多数の送信に返信を要求するなどストーカーの特徴があり、『そのうち死ぬ』との書き込みは『相手を殺して自分も死ぬ』という凶行をほのめかしている。なぜ脅迫容疑も含めて捜査しなかったのか」と疑問視する。

 ストーカー規制法は当初、執拗な電話やファクス送信などを取り締まり対象と規定。神奈川県逗子市で2012年、女性が元交際相手の男に刺殺された事件では、事前に男から女性に大量のメールが届いたが、規制法にメールの規定が無く、取り締まれなかった。

 事件後の法改正でメールが規制対象に加えられたが、SNSは依然、法の網の外だ。ストーカー規制の在り方を議論した警察庁の有識者検討会は14年8月、「SNSを用いた付きまといも対象にすべきだ」との報告書をまとめたが、法改正は実現していない。

 長谷川弁護士は「規制法は対象行為を列記しているため、通信技術の進歩やストーカーの多様な手口に対応できず、いたちごっこになっている。電子通信手段を使った付きまといを包括的に規制できるよう、法改正を急ぐべきだ」と指摘した。