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【スポーツの現場】大阪国際女子マラソン 福士、重友…2時間22分30秒の「壁」を崩せ

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大阪国際女子マラソン 福士、重友…2時間22分30秒の「壁」を崩せ

スポーツの現場更新

 「第35回大阪国際女子マラソン」は31日に号砲を迎える。今夏のリオデジャネイロ五輪の代表選考会を兼ねたレース。日本陸上競技連盟はリオ五輪の派遣設定記録として2時間22分30秒というハイレベルなタイムを掲げている。リオ五輪でのメダル獲得につなげるためにも、日本選手には積極的に派遣設定記録を狙っていく姿勢も求められている。(丸山和郎)

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 日本女子でロンドン五輪以降、2時間22分30秒を切った選手は一人もいない。ただ、日本記録保持者の野口みずき(シスメックス)をはじめ、過去に2時間20分を切った選手は3人いる。昨年3月の名古屋ウィメンズでも前田彩里(ダイハツ)が2時間22分48秒の好タイムをマーク。日本選手にとって22分30秒は決して不可能な数字ではないはずだ。

 北京、ロンドンの両五輪で日本勢はメダル獲得を逃し、惨敗に終わった。リオデジャネイロ五輪での復活に向け、日本陸連はロンドン五輪終了後、選手に高い目標を持たせる狙いで派遣設定記録を設けた。日本陸連の酒井勝充強化副委員長は「主要国際大会は夏にある。22分30秒で走れる力がないと、暑い夏のレースでは勝負できない」と強調する。22分30秒の走力があれば、どんなレース展開になっても対応できるという判断だ。

 今回の大阪国際の出場選手の中で22分30秒を狙える位置にいるのが、2013年世界選手権モスクワ大会銅メダルの福士加代子(ワコール)と12年ロンドン五輪代表の重友梨佐(天満屋)の2人といえるだろう。

 福士は約1年ぶりのレースとなった昨年10月のシカゴで2時間24分25秒で4位だったが、ワコールの永山忠幸監督は「22分30秒を狙ったレースだった」と振り返る。最初の5キロから16分40秒を切るペースで飛ばし、中間点は1時間10分27秒で通過した。福士自身、「大阪では22分30秒を切って優勝するのが目標」と言い切る。過去に24分台を3度マークするなど安定した力を持っているだけに、課題とする後半の失速をどれだけ抑えられるかが鍵を握る。

 重友も前半から積極的に自分のペースで押していけるタイプで、12年大阪国際では2時間23分23秒の好タイムで優勝し、ロンドン五輪の切符をつかんだ。五輪以降は不調が続き、昨年の大阪国際でようやく自身2番目のタイムとなる2時間26分39秒をマーク。自己ベストとは3分以上の開きがあるが、今回の大阪国際に向け「22分30秒はポイントになると思う。とにかく自己ベストを出したい」と話し、タイムへのこだわりをみせている。

 2人が自己ベストを出したレースでのラップタイムを比較すると、重友は12年大阪国際では中間点を1時間10分58秒で通過。福士も13年大阪国際で中間点を1時間11分36秒で通過した。ただ、2人とも35キロ以降の失速が大きく、重友は35キロ以降の7・195キロを25分29秒、福士も25分37秒を要した。一方、昨年3月の名古屋ウィメンズを走った前田は35キロ以降を24分31秒でカバーしている。終盤の粘りがいかに重要であるかを示している。

 昨年の世界選手権北京大会の代表選考をめぐっては、大阪国際2位の重友を選ぶか、横浜国際で優勝した田中智美(第一生命)を選ぶかで物議を醸したが、日本陸連は重友の方が前半からタイムを意識した積極的な走りをみせていた点を評価し、重友を代表に選んだ経緯がある。リオ五輪の代表選考をめぐっても方針は同じだ。

 今回の大阪国際では3年ぶりにペースメーカーが走る点を考慮しても、中盤までは福士と重友を中心に、派遣設定記録を狙えるタイムでレースが展開することが予想される。後半をいかに粘り抜くか。五輪切符の行方はそこにかかっている。