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【あさが来たの舞台裏(6)】「やっぱりイケメンか」…幼い“愛娘”母親を追いかけずに玉木宏のもとへトコトコ

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「やっぱりイケメンか」…幼い“愛娘”母親を追いかけずに玉木宏のもとへトコトコ

あさが来たの舞台裏(6)更新

 「今からスタジオに入ります」「了解!せかさなくていいから落ち着いて!」。無線機で交わされる番組スタッフの緊迫したやりとり。今日のスタジオはいつもより一段と張り詰めた空気です。普段は大声でまくし立てるAD(アシスタントディレクター)も猫なで声で、あささん(波瑠)も緊張の面持ち。果たしてどんな大物俳優が出演するのかと思いきや、「うわーん!!」と響き渡る泣き声で「カット!NG!」。そう、赤ちゃんが登場するシーンの収録だったのです。

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 7日の週から、あさの愛娘(まなむすめ)・千代が登場することになり、スタジオは今、赤ちゃんや幼い子供が登場するシーンの収録の真っ最中。

 NHKでは収録前に綿密なリハーサルを行います。収録日にはスタジオセットでまたリハーサル、そしてカメラテストと、何度もリハを繰り返し、しっかりと演技を固めて本番に臨みます。しかし、千代役の幼子たちにそれは通用しません。収録の度にあっちに行ったりこっちに来たり、全く想像できない動きにスタッフは翻弄されるばかり。大声で泣き出して収録が止まることもしばしばですが、千代のいるシーンはなぜか見応えのあるシーンになることが多いのです。

 関西で活躍した時代劇映画の巨匠・溝口健二は俳優に演技指導する際、「反射してますか」と言い続けたそうです。演技の基本は相手に対するリアクション。収録中の予測不可能な千代ちゃんの動きに対応する波瑠さんたちの見事な“反射”が、そこに本当の家族が存在しているかのようなリアルさを感じさせてくれるのです。

 収録が進むうちに千代ちゃんと波瑠さんはすっかり仲良くなり、まるで親子のようになったのですが…。

 ある日の、千代が仕事へ向かうあさを追いかける場面で、何度やっても千代ちゃんはトコトコと新次郎(玉木宏)の方へ。

 「こんな小さい子も、やっぱり最後はイケメンか」

 この世の真理を垣間見てしまった気がしました。   (「あさが来た」ディレクター 尾崎裕和)