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【動画】「陸自の歌姫」鶫真衣さん デビュー1年「歌で人の心を救いたい」 美しき歌声に広がる感動

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「陸自の歌姫」鶫真衣さん デビュー1年「歌で人の心を救いたい」 美しき歌声に広がる感動

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 陸上自衛隊中部方面音楽隊(兵庫県伊丹市)で、昨秋誕生した初のボーカリストが華やかな歌声で人々を魅了している。大学院まで声楽を学んだ1等陸士の鶫(つぐみ)真衣さん(27)は、人を救う自衛隊に感銘を受けて入隊。厳しい訓練をこなしながら、西日本各地で公演を重ねている。デビュー1年目の「陸自の歌姫」は「歌で人の心を救いたい」と話している。

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 鶫さんは中学2年のとき、NHK番組「おかあさんといっしょ」の「うたのおねえさん」に憧れ、声楽を始めた。出身地の金沢市内にある音楽コースがある県立高校に進み、国立音楽大(東京)、洗足学園音楽大大学院(神奈川県川崎市)で声楽を専攻。大学院生のときに出演した演奏会で、会場に来ていた自衛隊員から陸自がボーカリストを募集していることを知らされた。

 「人のために歌う仕事がしたい」と思っていたため、東日本大震災の被災地などで救援活動を行う自衛隊の姿を見て採用試験への挑戦を決意。海上自衛隊東京音楽隊の定期演奏会で三宅由佳莉さんの歌う姿に感動したことも背中を押した。平成26年3月、陸自初の声楽要員として採用された。

 入隊後、厳しい教育訓練が待っていた。「もともと運動は全くだめ。腕立て伏せは1回もできなかった」。射撃やほふく前進に加え、ランニング3キロと腕立て伏せ30回を毎日こなす訓練に、最初の1カ月は毎朝「辞めたい」と思った。

 入隊から約2カ月半後、東富士演習場(静岡県)で行われた野外訓練に参加。25キロ行軍では約20キロの装備品を背負って歩いた。疲れ果てて乗ったトラックの中で、同期隊員から「歌ってほしい」と求められた。ディズニー映画の劇中歌など3曲を歌うと、涙を流して感動してくれた。

 「訓練では足を引っ張ってばかりだったけど、自分の歌で一瞬でも幸せな気持ちになってもらえた」。自分の歌が人の役に立てたことがうれしかった。

 同年10月、中部方面音楽隊に配属。1週間後、同音楽隊がある伊丹駐屯地の隊員約1千人の前で、英国のソプラノ歌手、サラ・ブライトマンの「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」を歌った。歌い終えると、力強い拍手がわき起こった。音楽隊の任務の一つに自衛隊員の士気高揚があると教えられたが、身をもって感じた瞬間だった。

 音楽隊は東海から四国まで2府19県で演奏活動を行う。これまで出演した会場は約50カ所。今年4月、マツダスタジアム(広島市)で行われたプロ野球・広島-巨人戦の試合前に国歌を独唱した。8月28日には、兵庫県伊丹市内で開かれる同音楽隊のコンサートに出演する。

 鶫さんは「自衛隊の任務は国を守り、人の命を救うこと。その中で音楽隊員は人の心の傷を癒やし、勇気づけることができる。それが音楽隊の魅力です」と話している。