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【世界遺産登録】韓国、今度は「松下村塾」を標的に 伊藤博文ゆかりの地が原因?

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韓国、今度は「松下村塾」を標的に 伊藤博文ゆかりの地が原因?

世界遺産登録更新

 韓国の「後出しじゃんけん」(福岡県幹部)で、世界文化遺産への登録がひと悶着した「明治日本の産業革命遺産」に対し、韓国政府が今度は、松下村塾(山口県萩市)に批判の矛先を向け始めた。初代韓国統監の伊藤博文元首相ゆかりの場所であることが理由とみられる。韓国側の止まることを知らない反日姿勢に対し、日米外交当局だけでなく、九州・山口の施設関係者にも、諦めのような“韓国疲れ”が広がりつつあるようだ。(村上智博)

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 普通では考えられない…

 「韓国側はとにかく何か文句を言いたくて言っているのではないか。普通では考えられないことだ」

 松下村塾を管理する松陰神社の関係者は、産経新聞の電話取材に8日、うんざりしたようにこう語った。

 「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録が決まった直後の7日、韓国の外務省報道官の記者会見での発言に反発したものだ。

 外務省報道官は、「(松下村塾の登録決定には)問題意識を持っている。世界遺産以外の多様な次元で対応を検討していこうと考えている」と述べた。これは、審議の舞台となった国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会とは別の国際機関や国際的な会合で、松下村塾登録に反対の意思表示をしていく考えを示唆したものだ。

 報道官は「世界遺産委員会で問題提起するのは効果的ではない側面がある」とも述べている。背景には、今まで批判してこなかったものを正面から急に取り上げても、韓国が不利になるとの計算が働いたようだ。

 韓国は産業革命遺産23施設のうち、高島炭鉱(長崎市)など7施設の登録について、「戦時中に朝鮮半島出身者が強制労働をさせられた」として反発を強めていたが、この中に松下村塾は含まれていなかった。

 松下村塾出身の伊藤博文は1909(明治42)年に満州(現中国東北部)のハルビン駅で安重根に暗殺された。安重根は韓国で国民的英雄となったが、日本政府は「死刑判決を受けたテロリスト」(菅義偉官房長官)との立場だ。

 戦時賠償訴訟の乱発?

 遺産登録を優先させた日本政府は、韓国側との事前協議に応じたが、これが禍根を残す結果となった。

 結局、日本側は文言をめぐって「強制労働はなかった」と説明しているのに対し、韓国側は勝ち誇ったように「日本が初めて強制労働があったと認めた」(政府高官)と都合のいいように対外発信を繰り返す事態となっている。

 日米中のはざまで外交的に孤立していた韓国外交当局が、外交失策に対する国内の批判をかわし、名誉挽回とばかりに外交勝利を喧伝したがったのだろう。

 日本側にも、焦点となった文言については「外務省が勝手に決めたことだから…」(内閣官房)と政府内に足並みの乱れがあり、それが韓国側に付け入る隙を与えた側面も否めない。

 だが、問題なのは日本政府がいくら「強制労働はなかった」と説明しても、韓国政府の説明が国内外で一人歩きし、戦時賠償訴訟の理由に利用される可能性が出てきたことだ。

 朝鮮半島出身者の戦時労働は、日本人にも適用された国民徴用令に基づく合法的な勤労動員だ。また、「その多くが密航者も含めて高賃金目当てに自分意思で本土に渡航してきた」(福岡県筑豊炭田関係の在日韓国人)との証言もある。

 にもかかわらず、韓国の裁判所では戦時徴用をめぐり日本企業に賠償を命じる判決が続いている。

 韓国の光州高裁は6月24日、戦時中に名古屋の軍需工場で働いていた韓国人らによる賠償訴訟の控訴審で三菱重工業に賠償を命じた。

 不当な判決を無視できないのは、今回の合意を盾に戦時賠償請求訴訟を乱発されかねないだけでなく、実際に判決が出た場合、日本企業の韓国内における資産が、凍結・没収される恐れもあるからだ。

 中国では昨年4月、戦時賠償訴訟に敗訴し、商船三井が船舶を一時的に差し押さえられる事態も発生した。

 韓国の反日攻勢からは今後も目が離せない。