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遺族年金男女差、2審は合憲 1審「違憲」判決を取り消し 大阪高裁 

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遺族年金男女差、2審は合憲 1審「違憲」判決を取り消し 大阪高裁 

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 地方公務員の遺族補償年金をめぐり、妻は年齢にかかわらず受給できるのに、夫は55歳以上でないと受け取れない規定は男女差別で、法の下の平等を定めた憲法14条に違反するとして、妻=当時(51)=を公務で亡くした元会社員の男性(68)が地方公務員災害補償基金(東京)に不支給決定の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が19日、大阪高裁であった。志田博文裁判長は規定を合憲と判断。違憲とした1審大阪地裁判決を取り消し、男性側の請求を棄却した。男性側は上告する方針。

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 志田裁判長は、男女で受給資格に差がある地方公務員災害補償法の規定について、「今日の社会情勢の下でも不合理とはいえず、不当な差別にはあたらない」と述べた。同様の規定は民間の労災保険などにもある。

 判決によると、男性の妻は堺市立中教諭だった平成10年に自殺。訴訟を経て22年4月、公務災害と認められた。男性は同年6月、遺族補償年金の支給を申請したが、基金は妻の死亡時に男性が51歳だったことを理由に年金支給の対象外としていた。

 志田裁判長は判決理由で、男性が支給申請した22年当時でも、女性の賃金が男性の賃金の6割以下にすぎないと指摘。労働環境の男女格差は現在も歴然として存在するとし、「規定は不合理な差別とはいえず、憲法14条に違反しない」と結論づけた。

 25年11月の1審判決は、女性の社会進出が進み、共働き世帯が専業主婦世帯を上回ったり、男性の非正規雇用が増えたりした現代社会では、規定の合理性は失われているとして「違憲、無効」と判断。基金側が控訴していた。