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【衝撃事件の核心】「くそおもろい笑」で炎上、ボウリング場で「土下座強要」させた学習能力ゼロの男女3人組

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「くそおもろい笑」で炎上、ボウリング場で「土下座強要」させた学習能力ゼロの男女3人組

衝撃事件の核心更新
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 「土下座せえへんのやったら店のもん壊す!」-。滋賀県内のボウリング場で昨年12月、客の男女3人が30代の女性店員に45分間にわたって言いがかりをつけた挙げ句、土下座で謝らせる事件が起きた。3人がキレた原因は、店員から年齢確認されたこと。3人は強要容疑で逮捕され、男(27)は強要罪で起訴され、16歳と17歳の少女2人は家裁送致となった。捜査の端緒は、少女がインターネット上に投稿した画像で、「くそおもろい笑」のコメント付きだった。(桑波田仰太、和野康宏)

年齢確認に激高、土下座画像ネットに出回る

 3人がボウリング場に来店したのは、昨年12月6日午前1時ごろだった。受付を済ませてボウリングを始めようとしたところ、受付係とは別の女性店員が少女2人に「未成年じゃないですか? 生年月日を教えてください」と声をかけた。

 これが気に食わなかった男は「前に来たときはそんなこと聞かれんかった」「未成年と分かってて受付通したんか」などと罵声を浴びせた。挙げ句の果てには「土下座して謝れ」「土下座せえへんかったら、店のもん壊す」と女性店員に詰め寄り、少女2人も「はよ、やりいさ」などとはやし立てた。

 男の罵倒は45分間にわたり、ついには女性店員が事態を収拾するために土下座をするはめに…。その様子を少女の1人が自分のスマートフォンで撮影。短文投稿サイト「ツイッター」に「くそおもろい笑/ボーリングしにいこーとしたらもめて、最終的に店員が土下座しよった笑…(原文まま)」とつぶやき、土下座の画像を掲載した。

 翌7日、「土下座させられた画像がネット上に投稿されている」との通報が滋賀県警に寄せられた。女性店員も被害届を提出し、3人は今年1月19日に強要容疑で逮捕された。その後、大津地検は男を起訴し、少女2人を家裁に送致した。

「非常識」とツイッター炎上

 不当な要求にも関わらず、女性店員はなぜ土下座してしまったのか。

 女性店員は県警の調べに対し、土下座の要求に応じたのは男の罵倒に恐怖を覚えたためと説明。「このままだと店内で何をされるか分からない。店に迷惑がかかると考えた」などと話したという。

 当時、店内にはボウリング客数人がいた。また、女性店員以外の従業員もいたが、誰も男らの横暴を止められなかったという。店側は取材に対して「応じられない」としている。

 捜査関係者は「女性店員は相当な恐怖を感じただろう。言いがかりをつける者は、ターゲットを絞って集中攻撃をしてくる。周囲が謝っても、『お前は悪くない』などと聞く耳を持たず、ターゲットに攻撃を続けることもある」と話す。

 また、土下座画像はアッという間にネット上で拡散され、画像の閲覧者からは「強要罪に当たる」「非常識だ」などの非難が殺到。少女のツイッターが炎上しただけでなく、少女の氏名や出身中学などの個人情報がネット上にさらされていった。

相次ぐ土下座強要、ネット投稿で批判殺到

 店の従業員らに言いがかりをつけて土下座を強要する事件は、これまでに各地で相次いでいた。

 昨年9月、大阪府茨木市のコンビニエンスストアで、店員の態度に腹を立てた男女4人が、店長らに土下座をさせた挙げ句、商品のたばこを脅し取ったとして恐喝容疑で逮捕された(その後、執行猶予付きの有罪判決)。

 このときも、加害者側が土下座の様子を撮影した画像や動画をネット上に投稿すると炎上。個人の特定や個人情報が次々に公開され、犯人の男が「ネットの追及が怖くなった」と警察に出頭する決意をさせたほどだった。

 また、札幌市の衣料品店では平成25年10月、購入した商品を「不良品だ」などと訴えて従業員に土下座させたとして、40代の女性が強要容疑で逮捕されている。こちらでも、土下座の様子がネット上に公開されて物議を醸した。

「ゆがんだ正義感」による危険性も

 滋賀県警生活環境課の捜査員は「ネット上の情報が間違えていて、事件と無関係の人が批判にさらされることもある。他人の個人情報を掲載して誹謗中傷することは名誉毀損(めいよきそん)にあたる」と警鐘を鳴らす。

 また、ネット犯罪に詳しい甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は、ネット上での批判が捜査の端緒になったことは評価しながらも、「正義感から犯罪を糾弾しているネットユーザーがいる一方で、ネット特有の匿名性などから歯止めが利かず、ゆがんだ正義感になることもある。推定無罪であるはずの容疑者の家族までが批判されるなど、近代刑法を否定するようなケースも後を絶たず、危険をはらんでいる」と指摘している。