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【福知山花火大会事故】なぜ…当初意識あっても死亡する重症やけどの怖さ 

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【福知山花火大会事故】なぜ…当初意識あっても死亡する重症やけどの怖さ 

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 19日に10歳の男児と35歳男性が死亡し、犠牲者が3人となった京都府福知山市の花火大会での露店爆発事故。全身にやけどを負った男児は、事故発生直後は受け答えもしっかりしていたが、その後に容体が急変した。医療関係者によると、重症やけどの場合は当初は意識のあった患者でも命を落とすケースは珍しくないといい、「治療の焦点は水分補給と患部の感染防止」と指摘する。

 これまでの事故の犠牲者は、19日に死亡した同府京丹波町の小学5年、山名空君(10)と大阪府高槻市の黒田直希さん(35)、17日に死亡が確認された同町の竹内弘美さん(44)の3人。

 山名君は事故直後に京都府綾部市立病院に搬送され、頭部や背中など体表面の55%が2~3度のやけどと診断された。皮膚に付着した衣類の洗浄や軟膏(なんこう)を塗布する処置を受けたが、外科医の問いかけにも冷静に受け答えしていたという。

 やけどは深さにより1~3度に分類され、3度が最も重い。真皮に達する2度では全身の30%以上、さらに下の組織に達する3度では、10%以上のやけどで重症とされる。

 大阪府立急性期・総合医療センターの藤見聡救命救急センター長(48)は、「頭部にダメージがないやけどの場合は事故直後は意識がしっかりしているが、時間の経過とともに血液の循環が悪化し死亡するケースは珍しくない」と説明する。

 広範囲で重度のやけどを負った場合、血液の水分が急速に失われ、うまく循環しなくなり、栄養分や酸素を供給できなくなる。臓器へ流れる血液が不足し、臓器不全を引き起こし、死亡してしまうという。

 死亡した3人のほか、今回の事故では2~85歳の57人がけがをし、8歳の女児と13歳の少年の症状が重い。やけどで死んだ組織には細菌が繁殖しやすいため、今後の治療では、点滴で体内に水分を補給した上で、消毒や塗り薬で殺菌することが焦点になる。特に重症の場合は植皮手術が必要となるため、藤見センター長は「手術までの間、いかに感染を防止するかが大事」と指摘する。

 やけど治療は早急に専門の医療機関にかかることが必要だが、適切な応急処置が重要だ。

 手のひらなど狭い範囲の軽症やけどの場合は、流水や水タオルで冷やす。この際、氷で冷やすと血管が収縮して血流障害につながる恐れがあるため、使用しない。また、高熱のお湯を全身に浴びるなどした場合は、服を脱がす際に衣類が皮膚をはぎとることがあるため、まず服の上から水をかけるという。

 藤見センター長は「まずは患部を冷やすことが大事。正しい手法で応急処置を行い、迅速に専門機関にかかってほしい」と話している。

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