東京オリンピックまであと

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「努力は報われる」涙のち笑顔の池江

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女子100メートルバタフライ決勝 表彰後の記念撮影で笑顔を見せる優勝した池江璃花子(右は2位の長谷川涼香)=東京アクアティクスセンター(恵守乾撮影)
女子100メートルバタフライ決勝 表彰後の記念撮影で笑顔を見せる優勝した池江璃花子(右は2位の長谷川涼香)=東京アクアティクスセンター(恵守乾撮影)
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 あふれる涙は、止まらなかった。白血病からの完全復活を目指す競泳の池江璃花子(20)が4日、東京五輪代表選考会を兼ねて行われた日本選手権で東京五輪女子400メートルメドレーリレー代表の座を勝ち取った。白血病公表から2年余り。闘病を経て東京五輪の切符を手にした池江の快挙は、白血病の関係者や、同じように病気で苦しむ人々に勇気や希望を与えた。

 「自分がすごくつらくて、しんどくても、努力は必ず報われるんだなと思った」

 レース直後のインタビュー。無観客で静まりかえった会場内に震えた声が響き渡った。

 かつて得意種目だったバタフライ100メートルで、メドレーリレーの派遣標準を破った。タイムを確認すると、感極まった表情でガッツポーズを繰り出し、涙をあふれさせ、肩で息をしながら、口元を手で押さえ、おえつを漏らした。

 「自分が勝てるのはずっと先のことだと思っていた。今すごく幸せ」。呼吸を整え、かみしめるようにゆっくりと言葉を紡ぐ。その後に上った表彰台では一転、これまでと変わらない笑顔を見せ、関係者から大きな拍手が送られた。

 「闘病している患者や支える家族たちを勇気づけた」。白血病の患者らに骨髄を提供するドナーを募り、患者に紹介する事業を展開する日本骨髄バンクの小島勝・広報渉外部長(60)は池江のレースをテレビで見届けると、興奮した様子でこう語った。

 池江が白血病を公表したのは平成31年2月。この年は前年比1・7倍の年間約6万人がドナー登録するなど大きな影響があった。小島さんは「ドナー提供は家族や勤務先など周りの人の協力が必要。ドナーの数以上に池江選手の活躍によって理解者が増えるのは大きな意味がある」と強調する。

 骨髄ドナーの普及活動や患者への経済的支援を行う全国骨髄バンク推進連絡協議会の田中重勝理事長(71)は「あれだけ大きな治療をしてここまで来たというのはすごいこと。登録を迷っている人の背中を押してくれるのではないか」と期待した。

 国内初の血縁者間以外の骨髄移植ドナーとなって白血病患者を救った田中理事長。「かつて不治の病とされていたが、元の生活に戻れるのだと今後の患者に大きな力を与えてくれる存在だと思う。五輪の舞台に立てるだけで奇跡。体をいたわりながら力をつけていってもらえれば」と話した。

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