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「普通の生活、本当に幸せ」 池江選手の一問一答

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報道陣に練習を公開した競泳の池江璃花子=2日、東京都内(納冨康撮影)
報道陣に練習を公開した競泳の池江璃花子=2日、東京都内(納冨康撮影)
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 白血病からの復帰を目指す競泳女子の池江璃花子(19)=ルネサンス=が2日、自身が通う日大(東京都目黒区)で昨年2月に病気が発覚以降初めて練習を公開。代表取材に応じた池江選手は、「あくまで自分の目標は2024年のパリ五輪。21年(東京五輪)にとらわれず、今は土台を作っていきたい」と目標を掲げた。主な一問一答は以下の通り。

 --今年3月、406日ぶりにプールに入ったときの気持ちは

 「(入院中は)まだプール入らなくていいかなという気持ちだったが、入れるってなった瞬間に、この1年ちょっと我慢して、待ち望んでいたのでうれしかった」

 --また練習ができるようになって率直に思うことは

 「泳ぎ始めたときは練習についていけない自分が悔しかったが、今はだいぶみなと一緒にできるようになってきた。日に日に力がついてきている。でも、これじゃ満足してないし、もっと一歩前に出られるように強くなれたらいい」

 --闘病生活を経て、改めて水泳はどんな存在だと感じるか

 「水泳があって自分ができているというか…。なかったら逆に何をしていたんだろうっていう気持ちになるし、本当に水泳やっていてよかったなって。一からになっちゃったけど、みんなと練習できて、楽しい思いができて、水泳ができてよかったなと思う」

 --一時期は水泳をやることがプレッシャーになっていた時期もあった

 「入院した当初は、病気になって『五輪に出なくていいんだ』ってホッとしたと思っていたが、いざ(競技に)戻ってみると楽しいのほうが勝っていて。今はプレッシャーを感じずに心から楽しんで水泳をできている」

 --白血病と診断されたときはどんな思いだったか

 「まず白血病がどういう病気か分からなかった。抗がん剤治療で髪の毛が抜けるというショックがあったが、でも五輪に出なくていいんだというホッとした気持ちもすごいあって…。今思うと頑張りすぎていたのかなと思う」

報道陣に練習を公開した競泳の池江璃花子=2日、東京都内(納冨康撮影)
報道陣に練習を公開した競泳の池江璃花子=2日、東京都内(納冨康撮影)
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 --入院中で大変だったことは

 「聞いたことはあったけど、抗がん剤治療がここまで副作用や吐き気の強い薬だとは思っていなかった。毎日吐いたり、1日に何度も(食事を)戻してしまったり、食欲がなくてしんどかった。家族や周りの人が(それを)見てつらい思いをしているのが自分の中でつらかった」

 --闘病生活の支えになったものは

 「ファンの方や友達が毎日たくさんメッセージを送ってくださって支えになった。お見舞いに来てくれる家族とか関係者の方に支えられた。一人では乗り越えられない病気だった」

 --まもなく(7月4日)20歳の誕生日。どんな大人になりたいか

 「まだ何も決まってないが、水泳に関しては何らかの試合に出て今の状況をチェックしたい。いま以上にまた強くなる方法を見つけていければ。大人になる第一歩だと思うので、自覚を持って、自分の意志を持った大人の女性になりたい」

 --現時点での直近の目標はあるか

 「今の目標は(10月開催予定の)インカレ(日本学生選手権)出場。開催されることを信じて練習に励んでいるが、インカレがなかったらひたすら練習を頑張るしかないのでモチベーションをキープしていきたい」

 --五輪延期はどう受け止めたか

 「自分は出ないという気持ちで聞いていたが、今まで一緒に泳いできたアスリートの気持ちを考えると心が痛かった」

 --今の池江選手にとってオリンピックとは

 「多分、誰にとってもだと思うが、特別な試合。2016年(リオデジャネイロ五輪)には出たが、1回では終わらせたくないし、またそこで活躍できるように精いっぱい頑張っている。目標を達成できるようにしたい」

 --SNSではショートヘアの写真を掲載するなど「ありのままの自分」を発信している。何かきっかけがあったのか

 「別に隠す必要もないなと思って過ごしていて。がりがりになった姿や髪の毛がなくなったとかは、病気になった人はみな経験していること。そういう辛い経験をしたけど、『ここまで戻ってこれるんだ』という希望をたくさんの人に与えたいと思って発信している」

報道陣に練習を公開した競泳の池江璃花子=2日、東京都内(納冨康撮影)
報道陣に練習を公開した競泳の池江璃花子=2日、東京都内(納冨康撮影)
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 --現在の練習内容や頻度は

 「週4で(プールの)トレーニングをしている。だいたいみんなと同じくらいの強度だが、無理しすぎちゃうタイプなので、そこは(コーチに)抑えられたりしている。先週、先々週くらいから練習でみんなについていけるようになってきて、やっと上が見えてきた感じ」

 --泳ぎの感覚で何か違う面はあるか

 「1年以上、体を動かさずベッドの上にいたが、自分のいいところでもある肩の可動域は変わってなくて。そのおかげで(感覚は)そんなに変わらず、うまく泳げていると思う」

 --得意のバタフライも違和感なく泳げいているか

 「バタフライは若干つかめてない。それ以外はだいぶ慣れてきたが、バタフライは泳ぎが複雑。腕と足のタイミングは試行錯誤中」

 --復帰に向けて段階を踏んでいる。今の原動力は

 「まずは(一緒に練習している)みんなとインカレに出ること。後はパリ五輪に出たいという気持ちと、また強くなってみんなより早く泳ぎたいという気持ちだと思う」

 --通院の頻度は

 「今は月1回。(退院後に飲んでいた)薬も減ってきて、免疫抑制剤もずっと前に飲み終わった。今はなんの薬を飲んでいるかわからないです(笑)」

 --闘病期間やコロナ期間で見つけた趣味はあるか

 「ウクレレをやっています(笑)。テレビ番組でウクレレをやっている人を見て、それ見た瞬間に『やりたい』って思って。1カ月前に安いのを買いました。(一緒に練習する)みんなでスピッツのチェリーひこうって練習しています」

--今一番幸せを感じる瞬間はいつ

 「普通に生活することが本当に幸せ。今はあまりできないが友達と遊びに行ったりとか、みんなでおしゃべりしながらストレッチとかトレーニングしたりとか。病気になる前は当たり前だったけど、それがまたできるようになったときに幸せを感じたし、今でもそれをすごく感じている」

報道陣に練習を公開した競泳の池江璃花子=2日、東京都内(納冨康撮影)
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 --目標はパリ五輪と明言しているが、東京五輪が1年延期されたことで『出場を目指そう』という思いは芽生えなかったか

 「(東京五輪が)1年のびて期待されることもあると思うが、あくまで自分の目標は2024年のパリ五輪。来年の21年(東京五輪)にとらわれず、土台をつくって行けたら」

 --日本代表への距離感はどう感じているか

 「今の自分の泳力的には自分の中学生くらいだと思う。でも中3のときには(日本新)記録を出してたので、中1、2くらいまで戻りつつあるのかなと。日本記録まではいかないが、高校生くらいまでは早く戻せたらいいなと思う」

 --過去の自分を思い出して落ち込むことはあるか

 「今までは、みんなよりも体一つ出ているのが当たり前だったし、きつくても楽しいと思いながら練習していた。仕方ないけど、なんでここまでつらい思いしなければならなかったんだろうって過去を振り返ったりもした。でもすぐに自分に足りないものが何かを気づけたので、まだ強くなれるかなって思えるようになった」

 --今、日本記録を次々に出した自分のことをどう感じるか

 「よくそんなことができたなって思います(笑)。入院中に過去の映像をみたりして、この人すごいなってひとごとみたいに感じる」

 --過度なプレッシャーから解放された今、また競技の世界に戻ろうと思ったのはなぜか

 「もしかしたら元には戻れないかもしれないという気持ちもある。でも、病気の方たちに『また強くなれるんだよ』って知ってもらいたい。それに、このまま中途半端なまま水泳を終わらせたくないという気持ちもあった」

 --病気になる前よりも、今のほうが強くなれている部分は

 「メンタルはめちゃめちゃ強くなれている。正直、入院していたことよりきついことはないと思っている。練習はきついけど、メンタルはまあ強くなったなと。負けず嫌いなところはあまり変わってなかった」

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