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「まだまだ伸びるチームでした」 甲子園中止に前橋育英・荒井直樹監督

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つらい胸の内を明かす荒井監督=20日午後5時、前橋市
つらい胸の内を明かす荒井監督=20日午後5時、前橋市

 昨夏まで4年連続で甲子園に出場してきた群馬県の常連校・前橋育英の荒井直樹監督は、夢舞台中止の決定に「経験したことのない苦しさ」と語った。詳細は以下の通り。

 --開催中止を、どう受け止めているか

 「厳しいとは感じていたが、経験したことのない苦しさで、選手たちにどう伝えたらいいか、悩ましい。特に3年生にはつらいこと。それでも、この辛い経験を、今後の人生に生かしてほしい」

 --選手には、どう伝えるか

 「特に3年生には一人ひとりに電話して話そうと思う。これまで2年間やってきたことはなくならない、人生に生かしてほしい、と。各自、これからの人生にも大変なこと、つらいことはある。それを乗り越えていくためにも今回の経験を生かしてほしい」

 --代替大会が検討されるかもしれないが

 「このまま終わりということでは、あまりに寂しいし、何らかの形で披露する場を設けてもらえるなら、ありがたい」「4月8日から練習ができない中、各自それぞれやっていたようなので、それをお披露目できる機会があるなら、思いも出し切る場になると思う」

 --プロ野球や大学野球から注目されている選手もいると思うが、そうした選手の進路については

 「これまでも本人と話を進めてきたが、春と夏に(プレーを)見ていただいてという子もいる。その機会がなくなったので、非常に難しい。何とか本人の希望に沿うようにやっていきたいが…」

 --春のセンバツに選ばれなくなって以降、どんな思いで過ごしてきたのか

 「当然、この夏一本に絞ってやってきた。県内では健大高崎(高崎健子福祉大高崎)と桐生第一が選出され、選抜に出場し力をつけて帰ってくる。その2チームに対し、それ以上の意識をもって練習に臨むよう選手には言い、彼らも理解して取り組んできた」

 --休校中、練習ができない中、選手たちには、どんなことを教え、伝えてきたのか

 「休校期間中、どんな練習をするか事前に決めて、(何をやったのか)朝9時までに電話で知らせる。そうすれば、ちゃんと朝、起きるだろう、と。各自、中学時代の同級生や先輩、後輩なんかと練習をしたりしていた。投手については映像も送ってきたので、それも見てアドバイスしたりということを繰り返していました。でも、やはり、ここ(学校のグラウンド)でやる練習とは違って、1人ないし少人数でやる練習は難しい。逆に、そんな中、高い意識をもって続けてやれば、違うものも見えてくると思うし、個人練習という中だから磨かれるものもある。それを練習再開後に試してみようと伝えたりしましたね」

 --練習はむだではなかった?

 「全くむだではなかった。結局、最後まで勝つのは一校だけで、その他は必ず負ける。負けを味わって、達成感も含め感じることも大事なんだけれど、それもできないというのは悲しいなとは思います」

 「夏の甲子園も中止の公算というのは何日か前に報道され、3年生にはショックが大きかったと思う。中には『何のために練習してきたのか』という思いを訴えてきた選手もいた」

 「逆に甲子園というのは、怖いなと思うこともあるんです。高校野球も部活の一つに過ぎない。そういう部活動を4万人を超える人が見守るわけです。ある意味、とても怖いことで、選手たちにも当たり前のことと思うなよと去年も言ったし、今年も行けば伝えられたと思う。成長した姿を見ていただいて、感謝する。それがなくて、取り上げられることが当たり前のようになると、行ったことがマイナスになってしまう。実際、甲子園に行ってダメになる子もいる。逆に甲子園に行かないとだめという訳でもない」

 --独自大会が行われた場合、選手起用などで(甲子園大会とは)何か変わってくるのか

 「やはり3年生が中心になるでしょう。ベンチは3年生全員いいよ、という風にしてもらえると、ありがたいくらいです。区切りという意味でもありがたい。これで何もないというのは、3年生はどうしたらいいのか、となってしまう。せめて、そこまで一緒に練習してという風にしたい」

 --今年の3年生たちは、どんなチームだったか

 「優勝したとき(平成25年)の代によく似ていて、正直、それほど力はないけれど、それを理解している強さ、力がないからやろうと、仲間意識の強さを持っている。そのあたりが優勝した代とよく似ていて、いいプレーは我がことのように喜び、何かあれば会話して解決していく。まだまだ伸びると春から思っていたし、そう感じさせる子たちでしたね」

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