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【鬼筆のスポ魂】混沌とする重大会議の行方…開幕日、セパ歩調あわせられるか

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一足早く開幕した台湾プロ野球。日本も続けるか=4月16日、桃園市(ゲッティ=共同)
一足早く開幕した台湾プロ野球。日本も続けるか=4月16日、桃園市(ゲッティ=共同)

 それでも、プロ野球の6月19日シーズン開幕案は生き残っていた。しかも、6・19開幕の推進役は阪神と巨人の東西の人気球団だ。

 「阪神と巨人は今でも6月19日開幕にこだわっていますよ。なので、セ・リーグの他の4球団も巨人、阪神に同調する姿勢です。パ・リーグの6球団は慎重な姿勢ですね。11日の12球団代表者会議と12日のオーナー会議で(開幕日について)話し合われるでしょうけど、そのときに結論が出るかは疑問です。選手会の反応もあるでしょうから…」

 ある球団首脳は、舞台裏で行われているギリギリの交渉の流れを漏らした。12球団は水面下でシーズン開幕日や100試合前後となる今季の試合数、無観客試合後の間引き入場制限のパーセントや時期、統一契約書の見直しなどさまざまな問題について話し合いを行っている。その意見交換の場で、シーズン開幕日について阪神と巨人が6月19日開幕を強く主張している。

 新型コロナウイルスの感染拡大のため、シーズンの開幕(3月20日)を延期したプロ野球は当初、4月24日の開幕を目指した。その後、国内の感染者数が増加し、安倍晋三首相が緊急事態宣言を発令したことで方針を転換。宣言の期間が5月6日までだった時点では「5月上旬の連休明けぐらいには開幕日を決めたい、という気持ちは強く持っている」と斉藤惇コミッショナーは話し、球界首脳は新たな開幕日の候補として交流戦明けのシーズン再開日だった6月19日を定めた。5月26日から開催予定だったセ・パ交流戦(全108試合)の中止を決定し、球宴の中止も決めた中で、6月中旬のシーズン開幕だけは何としても実現したい…という考えだった。ところが安倍首相が4日に緊急事態宣言を5月31日まで延長すると発表。密集、密接、密閉の3密を防ぐという観点からプロ野球もチームとしての練習が制限され続ける事態となり、6月中旬の開幕も絶望的とみられていた。

 なぜなら6月上旬から集団行動が解禁されたとしても投手の肩やひじの状態など選手には調整期間が必要で、とても2週間余りの時間ではペナントレースに臨めないだろう…と思われたからだ。

 実際、パ・リーグの複数球団は調整期間が短すぎることによって、選手の故障を招いたり、チームとしての連係プレーなどに支障が出たりすることを理由に6・19開幕には懐疑的だ。慎重派からは、7月3日、7日、10日あたりの開幕日が挙げられているようだ。なので、11日に行われるJリーグとの新型コロナウイルス対策連絡会議の後の12球団代表者会議と翌12日のオーナー会議でシーズン開幕日が話し合われても「6・19」をめぐり、意見が対立する可能性がある。場合によっては、セとパでシーズン開幕日が異なる可能性すら排除できないのだ。

 3月11日に東日本大震災が発生した2011年を思い出す。パ・リーグ6球団とプロ野球選手会は3月25日のシーズン開幕日の延期を主張。一方、巨人を中心とするセ・リーグは予定通りの開催を主張した。巨人の渡辺恒雄球団会長(当時)は「終戦後、半年でプロ野球を再開した歴史もある」と語り、開催を強行しようとしたが、セとパの交渉は決裂した。一時はセは3月25日に、パは4月12日の開幕を決めた。その後、政府の要請もあってセ・パ両リーグが4月12日に同時開幕した経緯がある。

 6月19日を主張する阪神や巨人などセ・リーグ球団は見切り発車的にシーズンをスタートし、無観客試合の中でさまざまな調整をしようという考えのようだが、果たしてセとパの考えはどこかで一致するのか。11日からの球界の重大会議の行方は混沌(こんとん)としている。 (特別記者)

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