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先行き不透明な野球界…スカウトも困惑「プレーをチェックできない」

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緊急事態宣言で閑散とした状態が続く阪神甲子園球場=兵庫県西宮市
緊急事態宣言で閑散とした状態が続く阪神甲子園球場=兵庫県西宮市

 新型コロナウイルスの感染拡大で、プロ野球の開幕の見通しが立たない状況の中、プロのスカウト活動が苦境に追い込まれている。高校野球も今夏の全国選手権大会の開催が不透明なまま。スカウトからは「プレーをチェックできない」との声が上がっている。

 日本野球機構(NPB)はすでに5月中のプロ野球開幕を断念し、「日本生命セ・パ交流戦」の中止を決定。4月23日の12球団代表者会議の後、斉藤惇(あつし)コミッショナーは無観客での開幕も示唆したが、政府が5月4日、緊急事態宣言を5月末まで延長することを発表。NPBとJリーグによる「新型コロナウイルス対策連絡会議」の専門家チームの三鴨広繁教授(愛知医科大)は「球場の準備や選手の健康管理といった準備は進んでいるが、あとは世論と行政が許すか。地方自治体との折衝も必要になる」と指摘。6月中の開幕も厳しくなっているのが現状だ。

 球界全体が停滞し、各球団の編成にも大きな影響が出そうだ。他球団の選手を視察してトレードやフリーエージェント(FA)での獲得につなげるプロスカウトは、試合が行われない限りは動きようがない。パ・リーグ球団の担当者は「実際の目で選手の情報を入手できていたのはオープン戦まで。今は自宅で資料を整理する以外にやることはない」と戸惑いを隠せない。

 また、今秋のドラフト会議に向けて高校や大学、社会人の選手を調査するアマスカウトも休止状態にある。セ・リーグ球団の担当者は「学校も動いていないのでは、プレーをチェックできない。継続して見てきた選手については実力は把握しているが、見ていない時期の伸びしろは想像で判断するしかない」と嘆き節。さらに、「(高校野球が)夏も危うくなれば、無名の選手がプロに見いだされるチャンスは極端に少なくなる」と危惧する。

 NPBは今月11日に開幕日を改めて話し合い、日本高校野球連盟も20日の運営委員会で甲子園大会の開催可否を協議する見通し。先の見えないコロナ禍により、来季以降の球界の設計図も揺らぎつつある。(上阪正人)

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